2023/09/11

地元の友達から結婚式の招待が届き、古風にも葉書で送ってきてくれたりしたものだから恭しく御欠席の御を二重線で消して送り返す。そこそこ仲の良い友人だったので行ってやりたい気持ちはあるが、わざわざ10月のなんでもない週末に地元まで帰るほどではないなと思ってしまう。
結婚式をやるなら東京でやって欲しい、行きやすいから。これを理由にハイボールの瓶で殴られ殺されたとしても文句は言わない。ただ欠席の返事だけでは味気ないと思い招待状の端っこにカービィの絵を描いてごめんね、とふきだしを付けて言わせておいた。カービィはごめんねなんて言わないのに。俺の罪業はこういうところにも現れている。

仮にこの友人をAとして、Aとは中学生の頃スマブラをよくしていたのを覚えている。当時はWiiのスマブラでAはロボットを俺はカービィを使って終点ガチ対戦を繰り返していた。実力はAのほうが圧倒的に上で9割はAの勝ち、時々ラッキーパンチで俺が勝っていたが偶々俺が勝った時もAは気持ちの良い悔しがり方をしてくれてなんだかそれが"こいつは良い奴だな"と思ったりしたのを覚えている。

Aともう一度ロボットとカービィで終点ガチ対戦が出来るのだとしたら結婚式に行ってもいいかもしれないが、俺がいきなりゲームキューブのコントローラーを両手に2つ持って行って今から終点で戦おうなんて言ったところであいつは結婚式の主役で俺にかまう暇なんて当然ないのだろうから俺は結婚式に行かなくてもいいのである。
Aは中学を卒業して12年で人生の伴侶をつかみ取ったが、俺は中学を卒業してから12年でAに自慢できることと言えばカービィの空前コンボが上手くなったことくらいである。崖外の復帰に空下・空後も合わせられるようになり今俺とAが終点で戦ったらきっと俺が勝つ自信がある。
しかし俺が勝ったところでそれがなんなのかというところまで俺たちは来てしまっているのも事実なのだ。あいつに勝つなら中学生の時に勝たねばならなかったのだし、今の俺とAの勝負の舞台はアイテム無し終点のガチ勝負ではなくもっと広くてなんでもありの意味の分からない舞台になってしまったのだ。
俺はスマブラをやる時間が多くあっただけなのになんでこんなことになってしまったのか。東京で男のちんぽを舐めたり舐められたりもしていますが、いよいよ俺はAにゲームを誘える人間ではなくなってしまったのかもしれない。
ところでロボットの上スマってめちゃくちゃ強かったですよね。

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