見出し画像

行き先が決まらない旅②(内面編)

翌朝、目覚めたのは4時だった。

そもそも。
何故、ひとり旅なんぞを強行したのか。

読み手の共感を得るためには
語らなければならないのだろう。

とても簡単に言えば、
仕事と主人である。

山のような仕事と
しかもやったことない仕事と
沢山の関係先との調整と
話の通じない上層部と
終わらない日常業務と

主人は休職中で、
多少なりともこちらも気遣う。
心配もするのだ
だいじょうぶかなと。

ところが、実際は
わたしはとても幸せ者だ。
仕事も傍からみれば順調だ。
なんだったら沢山の人が手伝ってくれている。
今の上司はとても配慮のある方だ。

主人の休職のことだって
別に大したことではない。
わたしもとやかく言わないし、
何より主人のことを信頼している。
わたしにとって、最愛の人だ。
正直、居てくれているだけでいい。

そう、なんら問題ないのだ。

わたしだって
この状況にとても感謝している。

けれども、
そう心から思えるには
自分に余裕がなければならない。

仕事のことで頭がいっぱいで。
家に帰れば主人のことを思いやる。

頭の中の余白がなくなると、
人はいつか冷静でいられなくなる。

それはどんなに状況が
良い方向に進んでいたとしてもだ。

証拠に、
わたしの思考はどんどんネガティブになっていっていた。
つまり冷静ではなくなっていたのだ。
ものごとを客観視できないほどに。

だから、わたしはひとり旅に出て、
頭の中を空っぽにする。
誰に対して気遣うことなく、
仕事のことも忘れ去るために。

わたしのキャパシティは多くない。
だから定期的に中身を捨てないと。

そう自覚するようになってから
旅をするようになった。

そして、それを許してくれる主人には
とても感謝をしているのだ。
本当、まじでありがとう。

いずれにせよ、
朝の4時に起きてしまうほど、
わたしの睡眠は浅いものになっていた。
朝4時に起きて、6時には家を出て、
7時に出社して夜まで仕事をしている日々は、
限界を感じるには十分なものだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?