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映画 『空白』     ★★★☆☆

最近見た映画「空白」。

とても良い映画だったし、見終わった後のやりきれない気持ちというか、 モヤモヤする感じが、個人的に好きな感じの映画だった。

話の概要はスーパーで万引きをした女子中学生が、お店の店長にバレて追いかけられる中で交通事故で亡くなることをきっかけに、中学生の父親、店長、車で跳ねてしまった運転手…関係する人たちが泥沼のように落ちていくという話。

古田新太の演技力も然り、松坂桃李がいいのも然りなんだけど、個人的には寺島しのぶが演じる「自分の正義を押し付ける人」が、「こんな人いるよね〜」と共感するのと同時に、「自分もこうなっていないか…」と    ちょっとゾッとしました。

あと女子中学生役の伊東蒼さんの、幸薄い感じもものすごく良かった。娘が万引きしたとは思えない、きっと学校でいじめに遭っていたんだ!と憤慨する古田新太の元に届いた、同級生のアンケートに「印象がない」「話したこともない」「話題に上がらない」と書かれていたシーン。蒼さんの演技がまさにそういう印象の薄い子って感じの演技で、フィットしていたと感じる。

見ていてカメラの撮り方も印象に残ったのだけど、ドラマとか映画でよくあるフィックスのカメラではなくて、結構ロケカメ?で撮影されてたのも臨場感が出ていて心が揺さぶられたなあと。ドキュメント感がついていた気がする...

実際に起きた、万引き事件がモデルになっているということだけど、こうしためちゃくちゃ大きく取り上げられる事件では出ないけど、やりきれない気持ちになる事件をすくって映画にできるって本当にすごいなあ…と。日々の些細なニュースに敏感に反応できる自分でありたい。



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