矛盾……②
前回の拙文で、「人間は罪な生き物だ」というような事を申し上げたかと思います。
ただもう一方で、私は世界が平和であってほしい、誰かを失う悲しみは、誰も味わわなくていい、とも思うのです。
これは自分自身のためでもあり、本心から、自分以外の誰かに対して持つ気持ちでもあります。
「自分のため」というのは、「そのような悲しい事実を見聞きしては、私まで悲しくなってしまうから」という、まことに自分勝手な理由です。
「自分以外の誰か」とは、端的に言えば、今この文章を読んでくださっている貴方もそうです。私は、我が子を授かってからはじめて「絶対に失いたくない存在」がどういうものなのかを、日々痛感しています。
皆さんにも、私と同じような「絶対に失いたくない存在」というものがあるのではないかと思います。そんな大切な人やものを、失ってしまう悲しみ、絶望……そんなもの、味わわなくて良いならば、その方がいいじゃありませんか。
私も、貴方もです。
だからいくら人間が罪な生き物だからと言って、私は誰かに「この世を去ってほしい」、「誰も彼も、いなくなればいい」などとは、どうしても思えないわけです。変ですよね。自分でもそう思います。笑
こんな考えを、言ってしまえば日課のように自分に問い続けているのが、私という人間です。
でも、私自身、正解はきっと求めていないのだろうなと思います。このような問いに、正解なんてあり得ないとも思いますしね。
こうやってずっと、自分(人間)の存在に疑問を投げかける事が、今世での、私の「罪滅ぼし」だと言えるのかもしれません。
終