鴨川

1年前に京都に友人と旅行に行った時の出来事がフラッシュバックしたので書き残したいと思う。

その日はさんざん歩き回ってもう歩けないからタクシー乗ってホテルに戻ろうと決め、タクシーを呼んでホテルに向かっている時に、道中鴨川にかかる橋を通った。
鴨川を過ぎた後、タクシーの運転手は口を開き、以下情報を勝手に共有してくれた。

鴨川の河川敷って、ああやってカップルが座って時間を過ごしていますけど、昔、鴨川の河川敷では処刑が行われていたんです。そのまま遺体置き場としても使われていたし、みせしめのために首晒しもされていたんですよね。きっとああやって座ってるカップルはこんなこと知らずに座ってるんでしょうねえ。

ゴリゴリの京都弁で上記情報をご共有いただいたのだが、私は京都出身ではないので標準語に変換させていただいた。確か、このようなニュアンスの言い方だったと思う。

運転手に対しその後どのようなリアクションを返したのかの記憶は飛んでおり、全く思い出せない。タクシーを降りた後に友人は〝なぜそんなことを言ったんだろう〟とだけ言っていたが、あの人が鴨川通った時にお客さんと話すための常套句なだけでしょ、と友人に返した覚えはある。

それに、その日は本能寺跡地や晴明神社という割と何だか強めそうだなというところを巡っていてそっちの印象の方が強く残っていたし、晴明神社にいたっては友人に「肩が急に重くなったから叩いてくれ」と言われたことのほうが強かった上に、早くホテルで休みたいという気持ちが勝っていた。
私はその情報は知らなかったので、むしろ教えてもらって良かったなという感謝の意を示していたと思う。

気になったので、〝鴨川 昔〟とぐぐってみると鴨川の水が赤く染まっている画像が出てくるが、これは数年前の記事で染色排水が原因だと京都市の発表がある。そんな話を聞いてしまったから頭の中でさらに諸々紐づいてしまったため、検索はあまり推奨しない。
鴨川にわたる三条大橋付近の三条河岸は昔そういう場所だったんだよ、という旨が記載されている記事もあったが、この日記を書いている時間帯が23時と夜遅めで怖くなってきたのでこれ以上深堀りするのはやめた。

今思うと、タクシーの運転手がそういった記事を見たから、旅行客を面白がらせるためにただ言っていただけに違いない。
昔の話だけであって、(あ、あの人たち河川敷に座って首はねられるのを待ってるんだなフフフ)と性悪なことなんて一切思わない。
また京都に赴いた際には素直に観光を楽しもうと思うが、鴨川と河川敷に座る人たちの付近を通った際には、目線を向けずに目的地に向かおうと心に決めている。

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