見出し画像

米郵便公社の方針変更と愛すべきケーブルメーカー

「ケーブル何使ってる?」

 非常に危険だ。可能であれば窓から離れ、物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守るべきである。仮にその言葉を発した者が親しい友人であった場合、耳も塞ぐべきである。
 ケーブルで音変わる変わらない論争は昔からあちらこちらで喧嘩の種となってきた。特に2ちゃんねるやTwitterではあっという間に燃え広がる。
 特に自称本職の音屋と工学系が共に巻き込まれていたら、絶対に助けようなどと思ってはいけない。

 自称でもなんでもなく、正真正銘第一線のエンジニアでも、一家言あるのがケーブルの世界。日本のレコーディングスタジオはだいたいモガミかベルデン。あとたまに撤退した日立を使い続けているところもある。

ただまあ、

 これを読む可能性のある、趣味で音楽をやっているような人だと、せっかく個人でやっている訳だから、ケーブルも自分好みの、ちょっと変わっててこだわったセレクトをしたいよね、と思うこともあるよね。

 そういう人に薦めたいのがこのメーカー。

 エビデンスオーディオ。こんなに名前から特徴が分かるってのもなかなか珍しい。ただただ低歪な、音を劣化させないケーブルを目指すメーカー。
 スタジオユースを名乗ってるけど、ギタリスト向けのパッチケーブルなんかが人気らしい。後はラインケーブルが韓国のオーディオオタクの間で人気。

音は実際めちゃくちゃ良い。

 よくレコーディングの時に、ボーカルだけ馬鹿高いケーブルを使うと、ハイが上がって輪郭がはっきりして、前に出てきてくれたりするけど、こいつはそういうのとは別の意味でクッキリする。
 輪郭だけ無理に際立たせるわけじゃなく、音像そのものがハッキリ見える感じ。
 マイクケーブルでも電源ケーブルでも割とこの傾向。ギタリスト向けは知らん。

 ただこの線材、難点があって、それはめちゃくちゃ硬いこと。
 どいつもこいつも引き回すのに一苦労するし、一度巻き癖が付いたらなかなか逆向きには曲がらない。
 さらに、この硬さのおかげで、加工が非常に難しいのだ。
 なので、ここのケーブルに関しては、自作はしないことにしている。

コネクタ付きのケーブルを作ってくれるのはここ。

 Evidence Audioに関しては全種類を取り扱ってくれている。ここでもやはりギタリスト向けが多く、コネクタは基本ニッケルメッキ。
 作業は普通に丁寧だし、サイトに載っていない仕様のケーブルも、メールを送れば作ってくれる。3.5mm TRSのところをRCAx2にして❤って言ったら追加料金掛からなかった。マジ天使。

さて、やっとこさ本題。

 今回ここでケーブルを買ったんだけど、ちょっとトラブったので、これから買う人のためにメモっておきたい。

 今回注文したのは、5フィートの電源ケーブルと、8フィートと3フィートのアンバララインケーブル。制作じゃなく音楽観賞用。
 合計で450米ドルくらい。ここは350ドル以上で国際配送時も送料が無料になる。マジ天使。

 んで、ここからが問題のシーン。メールでケーブルの仕様についてやり取りした後、わざわざ写真まで添付してくれて「これでいいかい?」って聞いてくれた。その後発送となったわけだけど、これがなかなか届かない。
 package24.comってサイトで追跡できるんだけど、郵便局でずっと止まってる。おっそいな~なんて思ってると、知らない間にステータスが「Deliveried」。
 発送から一ヶ月経った頃、流石におかしいと思ってメールを送ったら、こんな返事が返ってきた。

郵便局側が言うには、あなたの住所がローマ字ではないので配達できないらしい。こんなことは今までなかったが、新しい方針だと言っている。理解できないし、83ドルの送料も返してくれない。

 国際配送時は、基本的に英語で書かないとバグるぞってのは通説だし、住所を求められればローマ字表記で書くようにはしていたが、それはシステム側で文字化けしないように、という認識だった。
 さらに今回、購入に当たっては、住所を入力した覚えはない。そう、PayPalの住所にそのまま配送されていたのだ。

これには驚いた。

 こんな変更がなされているなんてもちろん知らなかったし、こいつらが350ドル以上の支払いで83ドルの送料を負担してくれてた事にも驚いた。マジ天使。

 結局メールでローマ字表記の住所を伝え、送り直して貰った。
 そして何と、追加の費用は請求されなかった。マジ天使。

先日、ついに無事届いた

 ので、軽くレビューを。
 音は基本的に期待通り。といってもラインケーブルと電源ケーブルなので、大きく音が変わる所ではないけれど。
 ラインケーブルはSwitchcraftのニッケルメッキ、電源ケーブルはWATTGATEのホスピタルグレード非メッキ。ちょうどプロケーブルの電源タップに刺して使うつもりだったので、ちょうど良かったかもしれない。
 さらに嬉しいのは、布製のケーブルケースが付属してきた。Evidence Audioのロゴ入りでマジックテープが結構しっかりしている。

 なかなかの天使だったので、追加で何か購入しようと考えている。追加で電源ケーブルと、Yラグのスピーカーケーブルでも買おうかな。

カタログの様な紙が同梱されていた。ウェブ上では公開されていないようなので、公式の「Choosing a Cable」のページと併せてどうぞ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?