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アミグルミの制作工程をご紹介します

こんにちは、オムニベリー(omni-berry)と申します。アミグルミ作家をしています。

みなさん、アミグルミってご存知ですか?
毛糸を編んで作る、ぬいぐるみの類のことを言います。

少し前に、ご購入いただいたお客さまへ作品を発送しようとしたら、「アミグルミ」の文字をじーっと見た郵便局員さんから「これは…冷凍保存が必要なものではないですよね…?」と聞かれました。まだまだがんばらないと…。

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今回はそんな、アミグルミが完成するまでの工程と、なかなか伝わりづらい裏話などをご紹介できればと思います。(作家さんによって作り方や材料の選び方が違うので、あくまで私の場合です)


それでは、まずはじめに材料のお話。
材料である毛糸は、手芸屋さんなどで簡単に手に入れることができますが、どの毛糸をどこにどれだけ使うかセレクトするのも腕の見せ所です。

毛糸選びの大切なポイントは、「色」と「太さ」。
1色でそれぞれのパーツを編みきってしまう場合はあまり気にする事はありませんが、1つのパーツにたくさんの毛糸を使う場合は、太さを合わせないと凸凹になってしまいます。(段染めはピッチが長いこともあり、だいたいは自分でこまめに色を変えて編んでいます)

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慣れないうちは、同じメーカーの同じシリーズで合わせてしまうのが手っ取り早いですが、私の場合は色にちょっとばかりこだわりがあるのと、質感の違いも作品の味になると思っているので、1つの作品でバラバラの毛糸をセレクトして使っています。

色合わせのポイントは、トーンを合わせる事。あと、個人的にどうもアシンメトリにするのが好きみたいで、バランスが崩れない程度のアンバランスさを色で楽しんでいます。これは最近お客さまから感想をいただいたときに気がつきました。

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毛糸の太さを合わせるのは実際に触って確かめるか、ネットなどで購入する際はグラム数と長さを参考にします。例えばメインの毛糸に「40g・120m」の毛糸を選んだら、サブで使う毛糸は同じくらいの比率の毛糸を選びます。50g・150mとか、30g・90mなど。

あとは編んでいるときの編みやすさや手触りも大切なので、ウール100%を主に使用するようにしています。

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次はデザインについて。

つい最近制作したライオンのアミグルミ、名前はライオンガムと言います。
このライオンガム Lサイズを例にご紹介します。(※こちらの作品はすでに完売しています。)

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こちらも体や手足は一段ずつ自分で色を変えて編んでいます。

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この作品を初めて作ったのは2010年ごろで、王様風というか存在感のある凝った作りのライオンを作りたいなと思って制作しました。

だいたい新作を作る時は試作品作りの前に簡単に絵に描いてみるのですが、ライオンガムの場合は確か「頭には山高帽を乗せて風格のある紳士風に。(どこかに力の抜けたポイントが欲しいので)困り眉毛にすることでぬけ感をプラス。」みたいに考えて構想していったと思います。

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だいたいのデザインが決まったら、編む前に毛糸を並べて色合わせをしてみてから編み始めます。編んでいるうちに納得がいかない場合はほどいて編み直し。
納得のいく形になるまで試行錯誤し、最初の試作品が出来上がったら、レシピをメモして販売するための作品を制作していきます。

このライオンガムの場合は、試作品を制作した直後にキレイな段染めの毛糸を手に入れたので、それをたてがみに使おうと決めました。現在、その毛糸は廃番になっているので、手持ちの毛糸が終わってしまったら代替の毛糸を探すか見つからなければ終了になるのかなと思います。


今回のライオンガム Lサイズ(座高:約21cm)を制作する際、簡単に途中経過の写真を撮ってみました。

1. 頭を編む

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2. 体を編む

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3. 両足を編む

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4. 両手を編む

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5. 帽子、鼻、耳、ヒゲ袋を編む

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6. 顔、体、両足、両手を縫い付けて組み立てる

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7. 帽子、耳、鼻、ヒゲ袋、タグ、襟巻き、を縫い付ける

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8. たてがみ、眉毛、目、ヒゲをつけて、表情を仕上げて完成

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頭を編む〜完成までにかかる時間は、休憩や集中できてない時間を除き、約30時間。
組み立てや表情作りは少しでも失敗すると作品の出来が大きく変わってしまうので、細心の注意と集中力が必要です。

あとアミグルミは、表情作りや組み立ての部分でちょっと難しい側面があります。
それは、編み目があることで針を刺す場所(パーツを付ける位置)がある程度限られてしまうからです。なので編み目が細かい方がパーツを付ける位置の微妙な調節ができるので、繊細な作品作りが可能になります。その分たくさん編まなければならないので時間が多くかかりますが...。
これは強引に例えるならドット絵に似てるかな思います。(伝われ〜

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ということで、アミグルミの制作工程をご紹介しました。
よかったらまた覗きに来てください。

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omni-berry
https://omni-berry.com

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