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さかなのこをみた

面白いらしいということは上映中から聞いていて、見たいと思いつつもいけずじまいだった。目黒シネマで1週間限定でやってることをAくんに教えてもらったので一緒に見に行った。めちゃくちゃ面白かった。

この映画でのさかなくん(ミー坊)は、好きなもの一筋でいくらでも追求できる人間。大人になっても水族館や寿司屋とかで働くが全く仕事ができなくて、それでも古アパートで気ままに暮らして魚のことばかりに集中してる。おさかなはかせになりたいという夢はあるけど、さかな以外の勉強は全くできずやはりさかな一筋になってしまう。
すきなもの一筋で、安定の道を選ばずこういう「ふつうじゃない」選択をするのには常人にはかなりの勇気がいると思う。好きなもので食っていける確証はないし、安定的に食える方が一般には大事だからだ。

この映画では「ふつう」という概念が一つのテーマだった。みんながミー坊の「ふつうじゃなさ」に一部憧れを持って接しているのがわかる。
大概の人は好きなものがあるはずだ。ただそれを人生を賭けてやり通すことを選択できる人は一握りだ。なぜなら「ふつう」じゃないから、合理的でないから。

「ふつうじゃない」選択をすることは多くの人には危険だし怖いし非合理的だとおもう。だけど非常に魅力がある、本当はそっちに行きたい。
このような文脈は岡本太郎の「自分の中に毒を持て」に出てきた。
さかなくんはこういう「ふつう」のひとが悩むステップを全く気に留める事なく決定できている。これには周りの協力もあってのことだが、好きなものを追求するすることそのものよりも強力なスキルな気がする。

この映画を見て、さかなくんに感じる面白さや好感度の根底にあるのは「ふつうじゃない」選択を簡単に選べるスキルに対する憧れや、自分には出来ないことをやってのける気持ちよさ(カリスマ性?)なのかもしれないと思った。

CHAIのEDもとてもよかった。一曲ループで30回は聴いた。

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