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ドラゴンズドグマ2は、エルデンリング級になれるポテンシャルがあった

Dragon's Dogma2 を20時間ほどプレイしました。
点数は 5.5/10 くらいです。

ちなみに私はドラゴンズドグマの”オープンワールドで壮大なアクション”というコンセプトはめちゃくちゃ好きなのですが、ドグマにわかです。
ドグマ1も10時間くらいであまりのイベントの無さに飽きました。

悪い

  • マルチが無い

  • 最後に休息した"宿屋"から再開する

  • ファストトラベルが制限があって不便

  • 龍憑き

  • ニューゲーム不可 (※3/29アプデで修正済み)

  • テキストがすべて仮レベル

  • 旅先で得る装備はほぼ購入可能

  • 重量制限がキツイ

良い

  • エルデンリングを4人パーティで遊ぶ楽しさ

  • 大型モンスターとの自由な戦闘

  • MAPの隅々まで探索して徐々に装備を強化していく楽しさ


×マルチが無い

神龍が1個だけ機能改善してくれるとしたら、龍憑きよりもファストトラベルよりもまずここを直すべきです。

せっかくのデフォルトで4人パーティ戦闘というかなりマルチ向きのバトルシステムなのに、マルチプレイ不可。

マルチがあったら、コラボ配信の増加とマルチ需要で売り上げ倍くらいになってます。
売り上げがあったら、3の開発も速攻で決まりますし、売れる見込みが立つならより開発資金を投入できます。

ビジネス的にもユーザー感情的にも、2024年のゲームとは思えないです。

×最後に休息した"宿屋"から再開する

おそらくこのゲーム上、最も意味不明な仕様です。
(龍憑きは、やりたいこと自体はなんとなくわかるのでかろうじて理解できる)

このゲームは、コンティニューする際に


①直前から再開する
②最後に休息した宿屋から再開する

しかないのですが、②を選択すると実質セーブデータが初期化されます。

どういうことかというと、ドラゴンズドグマ2は宿屋に泊まる料金が最低1500Gと割高なので基本的にユーザーは野営を主体に過ごすことになります。
つまり、ほとんどのユーザーにとって最後に休息した宿屋とは「ゲーム開始直後の駐屯地で無料で泊まらせてもらった時点のセーブデータ」をさします。

操作ミスや気の迷い、もしくは最新のオートセーブが何らかの原因で詰みになった場合、②を選ぶことで膨大な時間をロスします。

開発者の思想としては、「人生は1回きり」
セーブ&ロードを塞いでオートセーブ一つのみ
イベントの成否のやり直しはさせない

ということなのでしょうが、本当にすべてがかみ合っていません。

なぜ保険ロード用の最終セーブ地点が”野営キャンプ”ではダメだったのでしょうか

ちなみにゲーム的にもこの最終セーブ機能を除けば、圧倒的に
野営>>>>宿屋
であるため、都市内で野営ができないのもかなり不快度高いです。

×ファストトラベルがほぼ使えない

ファストトラベルが自由にできないため、ゲームプレイの50%くらいの時間は徒歩でフィールド歩いてます。

開発者の思想は「リアルな冒険を楽しんでほしい」ということなんでしょうが、道中が楽しめるレベルまで昇華されていません。

ブレスオブザワイルドくらいレベルデザインがしっかりしててアイテムやイベントが配置されてたら退屈しないのですが、基本的には一定間隔ごとにエネミースポナーが配置されているだけです。
ゲーム内日数で次の日には敵がリポップするので、1回行った街道でもばんばん雑魚がわきます。

なので、このゲームの基本サイクルは

クエスト受ける (or自由探索で適当に歩く)
→目的地に歩いて向かう
道中に敵が湧くので戦闘×N
→目的地ついて何かする
→都市に歩いて帰る
道中に敵が湧くので戦闘×N
→都市に到着。装備などを整える (最初に戻る)

になります。
箇条書きすると楽しそうに見えますが、実際プレイしてみるとかなり機械的です。
なぜなら、道中のランダムイベントやコログのミニゲームなどは一切無いからです。

”ファストトラベルポイントを解放する”ことは強い報酬になるので、単にゲームを進める強いインセンティブになります。
ブレスオブザワイルドでも、祠内のミニゲームは人によって楽しさが分かれますが、祠(ファストトラベルポイント)を探すこと自体はほとんどのユーザーが自然に楽しんでやっています。

キリングフィールドの思想を受け継ぐフロムソフトウェアでさえ、ダークソウルの時点で、かがり火ファストトラベルを実装しています。

しかも、ダークソウル1は中盤からしかかがり火ワープが解放されなかったのが、2からは標準実装になったという歴史的経緯があります。

移動を最大の遊びとしているMarvel's Spider-Man 2でも、ファストトラベルを削除するかどうか議論し、結果、探索の報酬として実装することを決定。
ユーザーにも好評です。

時代の流れとして、これらの例に従うべきです。

×龍憑き

論外です。

知らない人のために一応仕様を説明すると
・たまにポーンが龍憑きという伝染病にかかる(目が赤くなり仕草が変わる)
・龍憑きポーンがいる状態で宿屋に泊まるとその街のNPCがすべて死亡する
・街のNPCを復活させるには希少アイテムが必要


開発コストをかけて、Steamのバッドレビューが圧倒的に増加するような仕様をわざわざ実装したことになりました。
ゲームのおもしろさにも特に貢献していません。

ぶっちゃけ狂ってます。
Steamのレビュー評価は、初動の売り上げに大きく影響します。

加えて、プロジェクトを私物化するようなクソみたいな仕様をぶっこんで開発メンバーの努力を無駄にするような行いを反省してほしいです。

この仕様の決定に関わっていない作業員が、発売後に大量のバッドレビューを見てどう思うか。
「ドラゴンズドグマ2に関わったんだぜ!」と家族や友人に報告し、「え、でも、めっちゃレビュー叩かれてて”賛否両論”だけど…」って返されて、言い訳する気持ちを想像すると、とてもかわいそうです。

×ニューゲーム不可 (※3/29修正済み)

これも開発者の「人生は1回きりだろ」という思想と、経営陣の「モンスターハンターワールドみたいにキャラメイクで永続的に小銭稼ぎしたい」という思想が合わさってできた歪な仕様です。

私はキャラメイク興味ないのでプリセットではじめるのですが、キャラメイクは凝る人はめっちゃ凝ります。

キャラメイクは、凝った結果、「声が気に入らない」「髪の色が太陽のライティングにあたると、思ってたのと違う」みたいな微妙にミスった結果になると途端にやる気がなくなります。

なので、キャラメイク部屋から実際のゲーム内に入って、デモ中のマイキャラの見え方を確認する必要があります。

そういう「キャラメイクガチ勢」がどのくらいの割合いるかは資料が無いのでわかりませんが、そういったユーザーの気持ちを全部無視してますので、これもバッドレビューが増える仕様実装になります。

キャラメイク変更権利で稼ぎたいのであれば、モンスターハンターワールドやFF14と全く同じ仕様にするべきです。
(つまり、キャラのリメイクは有償だけど、ニューゲームを封じる必要はない)

※2024/3/29 ニューゲームができるように修正されたようです

△テキストがほぼ仮レベル

こっから先はそんなに重要じゃない、細かいゲーム内容の指摘になります。

とはいえ、私の一番の離脱ポイントはこれでした。

ポーンや村人のセリフが本当にバリエーションが少なく、機械的です。

ポーンの日常会話で「パーティが女だらけですね」みたいなパーティの構成を指摘するテキストがあるのですが、トリガーの頻度がおかしいのか、15分に1回くらいこの発言をします。

また、「合意します」など、普通に生活してたら言わないような英語を機械翻訳したような日本語を話します。

せっかく3人の従者がいて、エルデンリング的孤独感が改善されているのに、話すセリフはロボット並みです。
最新のChatGPTなどのAIのほうが、よほど人間らしいセリフを言います。

この機械的テキストが津波のように流れてくるので、「なんか違うなぁ・・・」となって、ゲームの没入感をとにかく削ぎます。

これは完全に怠慢というか「そこまで手が回るほどの余裕がチームになかった」案件なので、本当に残念です。

また、テキストとはちょっと話がそれるんですが、世界観の扱いも酷いです。

ヴェルンワースにサイクロプスが強襲してくるランダムイベントがあるんですが、なぜか街中にサイクロプスが1体突然ポップします。

城門前の農村部に「モンスターが出たら自らの安全を最優先に速やかに街中に逃げろ」的なことが書いてあります。
サイクロプスが大橋に来たら、農民が足音や鳴き声でそれに気づき城門まで逃げてくるはずです。
そして、兵士は避難者を門に入れるまでサイクロプスをひきつけ、そのあと門を閉めるはずです。

それなのに、実際サイクロプスは衛兵と自分の背より低い城門をなぜかすべて通過して街中に湧くので、本当にバグかと思いました。
ちなみに住民NPCの「モンスターが来たぞおお!!!」みたいな掛け声も一切ないです。

チームに余裕が無いのはわかるのですが、あまりにも機能・背景・テキスト(世界観)の3者がチグハグです。

△旅先で得る装備は、ほぼ購入可能

これは好みの問題かもしれません。

ドラゴンクエストの手法で”その町で買える最新装備を次のダンジョンの宝箱に入れておく”というのがあります。
ドラゴンズドグマ2はこれを採用していて、洞窟内で見つける装備はだいたい付近の町で買えるのですが、私は「次の町に行ったらまずお金を工面して装備を最新に更新する」プレイヤーなので、すこぶる不快でした。

エルデンリングのようにほとんどの装備を変えなくするか、ユニークなアクセサリなどをダンジョンの報酬にするだけでよかったと思います。

この点も、開発者の思想が古いなぁと思う要因の一つです。

△重量制限がきつい

重量制限がきつく、素材系のアイテムはすべて倉庫に預ける前提のバランスで組まれています。
それに気づいた人はそうするだけなのですが、気づかない場合、ファストトラベル不可の仕様と相まって「重量:Heavy」状態でのジョギングドグマが無限に続きます。

これはゲームリテラシーが低いユーザーの離脱率を上げていると思います。
これもキャンプファイアおきにファストトラベルができたら、全く問題ない仕様でした。


良い点

○エルデンリングにない共闘感

エルデンリングやダークソウルは常に孤独との闘い、己の腕のみが信じられるものって感じですが、このゲームは常に3人の仲間がいるのでカジュアルに共闘感を体感できます。

戦闘中の支援はもちろん、戦闘が終わった後、ポーンに近づくとハイタッチできるので、実際に仲間と冒険してる心強さを強く感じられます。(だからこそ、テキストの不備が惜しい)

主人公とサブポーンの育成方針を決めて、そこから2人のレンタルポーンの職業を何にしてどうパーティを構成するかを考えるのは楽しいです。

○大型モンスターとの自由な戦闘

フィールド上を大型のMOBが闊歩してるのはかなり良いです。
出会ってワクワクしますし、雑魚との戦闘とメリハリがでます。

大型のモンスターは習性や弱点が細かく設定されており、

・顔までよじ登って弱点攻撃
・グリフォンを逃がさず討伐するには羽を炎上させないといけない
・二足歩行のサイクロプスは片足立ちになったスキに足を押したり、シーフの縄で引っ張って転ばせる

など、思考と工夫をする余地があります。

これはドラゴンズドグマ2独自の強みなので、他のゲームも参考にしていきたい部分です。

MAPの隅々を探索して徐々に装備を強化していく楽しさ

洞窟や宝箱がオープンフィールドの各所に配置されており、探索すればするほど成果を得られてパーティが徐々に強くなっていきます。
探索好きな人はレベルが上がりすぎて、サイクロプスなどはすぐに脅威じゃならなくなります。

ほとんどの装備が購入可能とはいえ、人知れない洞窟に入り、いい装備を見つけた時は、ゲームを攻略してる感じがあって楽しいです。

この成長サイクルはエルデンリングを彷彿とさせ、よくできています。

ただ、所持重量増加アイテムがコガネムシなのは意味不明なので納得できないです。


まとめ

・ドラゴンズドグマ2は、NPC3人と共闘しながら遊べるエルデンリングなので、めっちゃおもしろい
・マルチプレイがあったら、初動で500万本とか超えてくるレベル

・でもいろいろ不便なので、購入には入念な調査が必要


ちなみに、モンスターハンターワイルズが来年度、つまり来年の3月決算前にリリースされるため、ドラゴンズドグマ2は必ず2024年3月発売を死守する縛りがあったはずなので、開発陣に同情する余地はあります。

おわり

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