WISH



2015年、宮城でのコンサート、あなたのなんとも言えないあの顔を今でも覚えてる。

バカー!!!って思った。なんか、怒りとかじゃなくて、オカンがやらかした息子にあんたほんまに、アホなことしてぇ!って言う類のやつ。
バカー!!!って思った。でも、それ以上に好きだなあって思った。(そんな状況で好きだなあって思うってなんかキショ…なんですけど…)ファンサも、わたしのカウントでしかないけど、いつもよりちょっと多かったし。雨の日の捨てられた子犬みたいな顔して、ピースしたり釣ってあげたり、歌って歩いてる時も、なんか自信なさそうな顔して。バっっっカだなあって。ちゃんと!そこにちゃんと!立ってなさいよ!大丈夫なんだから!って思った。
SNSは大荒れで、コンサート直前に発覚したことだったから、コンサートに行かなかった(というか、行けなかった)人も見かけた。そんな中、全然ダメージ受けてないわたしに、なんならちょっとネタにして笑ってたわたしに「よくそんな平気でいられるね…わたしだったら無理!」って、仲の良かったオタクに怒られた。

だってあの人がクズなことくらい、好きになった時から知ってるもん。KTKの都市伝説も、当時わたしはファンではなかったけど、噂でなら知ってるし。まあ、普段からバラエティもやる気ないし。辞めたい帰りたいってすぐ言うし。カメラの前で平気で鼻はほじるし。やる気ないし、ほんとうにクズだよなー。

でも、でもさ、わたしはあなたが"あったかい"ことも知ってるよ。
コンサートで、誰よりもファンサービスすること。4人がいなくならないことを、実は誰よりも望んでること。わたしは知ってるよ。……まあ、クズなんですけどね。

大荒れしたSNSで、「大野くん、居なくなった方がいいと思う」とか「大野くんなんで嵐なの?辞めればいいのに」とか。アイドルとして自覚がないとか、なんかそういうのをめちゃくちゃたくさん見た。
でも、5人で、嵐で。5人じゃなきゃ、嵐じゃなくて、ダメで。大野智の代えなんて、どこを探しても居ないんだよ。まあそれは、他の4人にも言えることで。あのメンバーで嵐だから。

あんなやる気ない人が、今もあそこに立ってる。ステージの上で踊ってる。その事実だけでもう、十分だって、思ってしまう。まあ、ね、アイドルなんだからもうちょっと気をつけなさいよ!とは思うけど。でもクズだから、しょうがなくない?クズなのに、まだアイドルやってんの、すごくない?これからも、そこにずっと、居てくれたらいいな。ちゃんと!そこにちゃんと!立ってなさいよ!大丈夫だから!って、最後にはけていくあなたを見ながら、そう思った。

コンサートが終わって、帰りの新幹線で、隣の友達は寝てて、体の疲労はピークなはずなのに、わたしだけがなぜか眠れなくて。前の席のおじさんが食べてる駅弁のにおいと、物凄いスピードで過ぎていく窓の外を見ながら、なんか。目頭がじゅわぁっと熱くなって、気づいたら泣いてた。なんでわたし泣いてんだろって妙に冷静で、友人にバレないように、必死に袖で涙を拭った。

…すごくいいコンサートだった。すごくいいコンサートだったし、わたしは大野智がクズなことなんて知ってる。だいぶ前から知ってる。大野さんのあの、横顔可愛かったなあ。ふにゃって、笑ってさあ。ふにゃ顔に弱いんだよ大野担は。クッソー!フリスタジャンプもしてたな、なんか久しぶりに見た気がして、嬉しかったなあ。相変わらず歌もダンスもうまくてさー…いいコンサートだったな〜…。いいコンサートだったのに。なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで、わたし泣いてんだろ。

大野さん、もう35歳(当時)か。普通なら、子供が2人くらいいてもおかしくない。でも彼はアイドルだから。普通の人みたいにはいかない。だから"そういうこと"したら撮られる。でもクズだから、しょうがなくない?クズなのに、まだアイドルやってんの、すごくない?って思いながらも、わたしは心のどこかで、なんでそんなことするの?あなたはアイドルでしょ!って思っちゃってたのかな。こんなこと、あなたに思ってしまってごめんなさい。
アイドルにアイドルでしょって思うことは当たり前なんだけど。逃げ出したい、辞めたい、って常に思ってる人に、そこに居てくれるだけでいいのに。そこに居るだけで成り立つ、それがアイドルであなたはアイドル、なのに。ちっさい猫背にポンポンとわがままな荷物を投げ込んでしまって、ごめんなさい。
公演中にあなたを見た時、ちゃんと!そこにちゃんと!立ってなさいよ!大丈夫だから!って、思ったけど。もしかして、あなたにじゃなくて、わたしがわたし自身に言ってたのかな。ちゃんと、そこにちゃんと、立ってなさいよ!大野さんがクズなこと知ってるでしょ!あんなのに負けちゃダメよって。
15周年のハワイ公演での挨拶、ドキュメンタリーでの言葉、番組のインタビュー。ぜんぶぜんぶ嬉しかったなあ。なのにどっかで、大野さんは本当にそう思ってるからああやって言ってくれてるのに。あの人クズだからさ、いつ居なくなってもおかしくないなあ。ってちょっと信じきれてなかったのかな。もし、未来がそうならなかったとしても、今伝えてくれている言葉は本心なんだから。信じればいいのに。ごめんね、大野さん。こんな、こんなオタクでごめんね。自担を信じきれないなんて、こんなの、"担当"じゃないね。

あなたがクズなこと、好きになった時から気づいてたよ。でもあなたがあったかい人だってことも、分かってたよ。
あなたのクズなところがしぬほどだいきらいで、しぬほどだいすきだよ。大野さんがおじいちゃんになって、今を振り返った時、あん時おもしろかったなーいろいろあったけどさ、しあわせだったよなーって、お茶すすってたらいいな。
もうあなたの"担当"じゃないから好き勝手お願いしちゃうけど、これからも健やかでいてほしい。笑っていてほしい。そのためにあなたがした選択なら、全力で応援したい。(ちょっと凹んだりする時もあるかもしれないけど)この荷物をちっさい猫背に投げ込み続けることだけは、許してください。これからも応援はさせてね。

絶対しあわせになれよ!


元大野担より。



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