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穴あきパンツのミーちゃん。その3

「窓からみえたものは」

ミーちゃんが我が家に住み着いてから、9か月が過ぎた。

ミーちゃんは外と家の中を玄関ドアに付けられた猫ドアを通って自由に出入りする、立派な我が家の一員(だけど気ままな外猫)になっていた。

COVID-19対策のために、在宅勤務が中心になっていた私はいつものようにカタカタとパソコン作業をしていた。

窓越しにミーちゃんが横たわっているのが見えた。日向に寝てるので、暑くないのかなと思い 「ミーちゃん、暑くないの?」と声をかけた。

「ミャーー」となく声がなんとなくか細い。鳴き声と鳴き声の間に舌をだしてハーハーとしているように見えた。

珍しいな。「ミーちゃん戻っておいで」とまた声をかける。ずるっと起き上がり動き出す。
「え?」「下半身を引きずっている?」

慌てて外に飛び出し、ミーちゃんに駆け寄る。拾い上げ家の中に入れて、
床にゆっくり置いてみる。ソファーに下に潜り込もうとするミーちゃんの下半身はやっぱりだらーんとしていて、前足だけで這うように移動していた。
ミーちゃんがカウチのしたやベッドの下にもぐる時は、何かを恐れてそこから隠れる時。何かあったんだ。。。とっさにそう思った。

落ち着け、落ち着け。そう自分い言い聞かして、全身を観察する。
ケガは一つも見当たらない。少し荒い呼吸と麻痺したようにだらーんとぶら下がる下半身。

木から落ちた?血管詰まった? 事故?

とりあえず、水を飲ませる。ペロペロと自分で飲める。
心落ち着かせて、病院に電話をかけた。下半身がマヒしているみたいって英語でなんていうんだっけ?パニックになって英語が出てこない。
猫が動かない。すぐ見てほしい。ただそれだけをただただ一生懸命電話で伝える。

「当病院の患者さん?」
「そうです」(予防接種と避妊手術だけ)
「予約が混んでいるから、急いでも2時間後ね」

アメリカ全土の動物病院がそうなのかわからないが、ハワイ島では予約なしの飛び入りはまず診てくれない。もともとそこの患者でないならなおさらだ。

それでも診てくれることになったので、時間がくるまでミーちゃんをベッドに寝かせて様子を見ることにした。

旦那くんに電話をする。パニックになってうまく会話ができない。
「ミーちゃん動かない、どーしよう。。」
こういう時に日本語で会話できないもどかしさを痛感する。

ミーちゃん、どうしたの?どうしてこうなったの?動かない体をなでながら
話しかける。

心なしか、ミーちゃんの意識がダウンしていくように見えた。
ダメ、まだダメ!病院行くんだよ。そう言ってミーちゃんに大声で話しかける。

だめだ、待てない。(見てられない)たまらなくなって病院に電話をした。




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