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袋屋社長、福島に最新鋭の工場新設をする!

こんにちは、袋屋のシコーで社長をしている白石です。2021年6月に事業承継をして社長就任したので、そろそろ2年目もおわりに近づいています。
そしてさる4月28日に私の袋屋人生で一番大きなプロジェクトが成就しました。社内で「プロジェクトF」と呼ばれていたそれは、「福島の工場を新設して旧工場を稼働させながら新工場へ移転する」というものでした。
※Fは「福島(Fukushima)」からとっています。社内公募で決めました。

どうして福島に工場を新設したのか?

そもそもシコーグループには全国に8つの工場があり、旧福島工場は昭和55年に建てられたグループの中では「最も新しい工場」でした。その工場を新しくやりかえたのにはいくつか理由があります。

①東日本大震災のダメージ
2011年の震災で工場は大きなダメージを受けました。耐震補強をすることで工場運営は可能でしたが、傷跡が随所に残りました。検討から竣工まで干支一回りの時間を要しましたが、この震災がプロジェクトFのきっかけでした。

②オモロイ取り組みをするために
社長就任以降、「世界一オモロイ袋屋にしよう!」と言っています。今後の展開でオモロイというと「自動化」やなどになるのですが、旧来の袋屋の工場の在り方ではレイアウト的に厳しいものがありました。また、福島の工場にはグループの中でも熟練のオペレーターが多くいるので、彼らと一緒に新しい取り組みをしたいという考えもありました。そして、それらを他の工場にも展開していきたいと考えています。

③世代交代を踏まえたベストなタイミング
このタイミングでの工場新設がベストだと考えました。理由はシコーの私を除く役員は父の代から役員を務めてくれており、非常に優秀な人材だからです。その諸先輩が引退する前に、その知識と経験をプロジェクトFに投入することはプロジェクトの成功はもちろん、次の世代の成長に繋がると判断したからです。

④採用力の強化
どこの企業もそうですが未曽有の人手不足を迎えています。その中で旧工場は山のふもとにあり、ロケーションの観点から採用面では難がありました。新しい工場は国道近くの工業団地なので採用面においても今後は改善するだろうと判断しました。また、新しい工場建屋は労働環境が従来よりもかなり改善されているので期待しています。

※採用強化のために若手と採用活動をしているという記事をPR

色々と書き連ねましたが「事業継続」「シコーならではの独自性の確立」という2つの理由に大別できます。

このプロジェクトは自分が常務の時代に動き出したのですが、当時、会長を務めていた父から「次に社長をやるオマエがやるなら進めるけど、どうする?」と最終判断をする役員会の席で問われて始まりました。その瞬間は喉元に鋭い刃物をつきつけられるような思いでした。あの時に「やりましょう!」と即答することで芽生えた強烈な当事者意識はその後の自分の支えになりました。

成長とは規模ではなくオモロイ独自性があるかどうか?

オーナー企業の3代目として衰退産業である袋屋さんの社長となりました。自分なりに「この業界における自社なりの成長は何か?」ということを常に考えてきました。現段階での答えは「規模を追い求めることは目的ではない。オモロイ独自性を追い求めよう。その結果、利益をだして設備投資や社員さんへの還元にまわす。」としています。

袋屋の業界はまだまだ生産現場において自動化が進んでいなかったり、海外の袋屋さんに比べて技術が遅れていたりと、改善できる可能性が沢山あります。シコーは中小企業ではありますが、背伸びして全力で挑戦するには最高の市場だと前向きに捉えています。「オモロイ取り組み」を通じて、愛すべきこの袋業界における自社なりの成長を実現したいのです。
そして、そんな「オモロイ取り組み」におけるアイデアの源泉は眉間にシワをよせて怒鳴りまくる中からではなく、良い雰囲気の中からこそ生まれると信じています。

ドローン×マグロの解体=!?

話を新工場に戻します。工場をつくるというプロジェクトを前にして、「同業他社さんがしないようなオモロイ試みは何か?」と考えて以下を竣工式に併せて行いました。上手くいったもの、そうでないもの。他のメンバーが考えてくれたものなど色々あります。眉間にシワをよせるのではなく、オモロイことを求めた結果には満足しています。

①タイムラプス
工場建設地が更地の状態から完成までのタイプラプスを作成予定でした。これは撮影できたのですが、自分が思うようなものに仕上がりませんでした。これは自分の意図を明確に伝えきれなかったのが原因なので他の取り組みにはこの教訓を取り入れました。

②ドローン撮影
これは無事に先日一般公開にこぎつけました。ドローン撮影を一般公開にこぎつけるという当初目標はもちろんのこと、動画担当者からの提案でメイキング動画もつくることができました。一般公開した動画はマイクロドローンコンテストにもエントリーをしたので、2023年6月末の表彰式を楽しみにしています。

③プレスリリースを発信する
新工場というイベントを社外にも記録として残るようにしたいと考えてプレスリリースを発行しました。PRタイムズでの発信はもちろん、福島県の記者クラブにプレスリリースを持ち込みするなど、恐らく袋屋さん史上初であろう広報活動を展開しました。

取材依頼が竣工式当日の朝に入るなどでバタバタしておりましたが、プレスリリースきっかけで3社より取材を頂くことができました。取材対応については福島工場のメンバーと担当役員が竣工式の合間をぬって見事に対応してくれました。(私は何もしていません。)

④マグロの解体ショー
これは私のアイデアではないのですが、担当役員が「竣工式で神事にのっとった厳かな儀式のあとは、オモロイことをしたい」ということで企画してくれました。ゲストの感覚でショーを見ていたら壇上でマグロ解体を手伝わされるというサプライズがありました。こんなことが好きな会社です。

サプライズでとんでもなく長い包丁を握らされてポーズ

プロジェクトFが終わってきづいたこと。。。

とにかく当事者意識がなくしてはモノゴトはうまく進まないなと学びました。それは自分はもちろん、メンバーにも同様です。当事者意識ってやつは「やっとけ!」という命令だけではまず醸成されません。「何を期待しているのか?」を伝えて、双方で合意をする一手間が肝要なのです。この一手間をさぼってはいけないぞと自分に言い聞かせております。

あともう一つは、チームで取り組んだ方がよりよいパフォーマンスを発揮できることです。
実は私は新工場の竣工式の前日からウイルス性胃腸炎を発症しました。前日は体調不良から一睡もできず福島のビジネスホテルで一晩中もんどりうっておりました。何とか竣工式には参列することができましたが、自分は竣工式のスピーチで手一杯、マグロの解体ショーの上記写真のときは最後の力で何とか笑顔をしぼりだしました。とにかく自分のことで精いっぱい、情けない社長でしたが、他のメンバーが完璧な対応をしてくれたので、式典は滞りなく終えることができました。

自分への情けない気持ちもよりも、自分の体調を何とか出席できるまでに回復できた幸運と、そんな私をバックアップしてくれたチームに心から感謝することができました。自分一人の力なんて、そんな大したものではないのです。チームで取り組んだ方がより大きなインパクトはだせるのです。

最後に~これから目指す未来はどんなものか?~

新工場建設という大きなプロジェクトを通じて、やはり眉間にシワを寄せて後ろ向きな話をしているよりも、笑顔で前向きな話をしているときの方が人はパフォーマンスが高いと実感しました。その方が社内外関係なく仲間が集まってきてくれるようです。

これからはこの福島の工場を基幹工場として海外にメイドインジャパンの紙袋を輸出していきたいですし、日本においてもまだお付き合いのない企業様との取引を目指していきます。シコーの持っている技術で未だ見ぬお客様の課題を解決できると信じています。

そのためのアプローチはアトツギ社長として広報活動を行い、シコーという会社のことをどんどん知ってもらえるような試みをしていきます。
noteで色々書いているのも、読んでくれている方が袋屋さんのことや、シコーという企業のことに少しでも興味をもってもらえたら嬉しいからです。
まだまだ、やりたいことは沢山あります。

福島新工場の設立を目的としたプロジェクトFは一旦の終わりを迎えたわけですが、そのFをFuture(未来)とするならば、プロジェクトFはまだまだこれからも続くのであります。(担当役員のコメントを丸パクリ)

ここまで読んで下さり有難うございます。よろしければ最後にドローン撮影のメイキング動画をご堪能頂ければ幸いでございます。

おあとがよろしいようで。

袋屋社長はTwitterやっておりますので、こちらもよければご覧ください。



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