もこもこ

鷹揚

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最近の記事

おっぱいファクトリー。

おっぱいファクトリーの話をする。 おっぱいがベルトコンベアで運ばれてくる。 俺はそれらのおっぱいを仕分けし梱包する。 梱包というかその手前の段階。つまり大きなカゴに。そっとおっぱいを敷き詰めていく役割をファクトリーで担っている。 仕分けは大きさとかそういうのではなくて、 質量を基準としている。それは質量であり大きさではない。ここには大きな概念的隔たりがある。 それぞれの質量にはそれぞれの良さがある。 付言して言えば一概に重いものが良いとかそういうのではない。 俺はでかい

    • 谷川安らかに。

      死んだ。 谷川俊太郎が死んだ。 老衰だった。 谷川はずっと死なないと思っていた。 嘘ついた。 いつかは死ぬと思っていたが、それは昨日でも 今日でもない、いつかだと思っていた。 俺は今日、そのいつかを踏んじまった。 畜生と思った。しかし、俺は今嘘をついた。 今日、谷川が死んだ。 俺はモリモリご飯を二膳食べた。 鮭の粕汁もゴクゴク飲んだ。 飲むヨーグルトを飲んだ。 熱い湯船に10分浸かり 「気持ちいいぜ!」と思った。 畜生と思う。 俺は谷川の詩に過去、助けられた。

      • 赤子が声をあげ、小鳥はさえずり、我らは。

        「なあミキコ、そろそろじゃねえか?この子が何か喋り始めるのもさ。」 夫がサボテン🌵のぬいぐるみをチリンチリンと鳴らして10ヶ月になったぱかりの娘をあやしている。 「ミキコー。X AE A-XIIの最初の言葉は、「ママ」かな?、それとも「パパ」かな?パパが最初でも恨まないでくれよな?笑」 私は子供(X AE A-XII)発音は「エックスアッシュエートゥエルブ」をあやす夫の顔を眺めながら言う。 「陽一くんさー。だからパパだよ。パパだよ言ってるんだー。でもさ、X AE A-XI

        • 世界の終わりと麻・ナマ太郎ワンダーランド

          「人間が生きていくうえで大事なことは、 朝、希望を持って目覚め、 昼は懸命に働き、夜は感謝と共に眠ることだ。」 ナマ太郎はオイオイ泣いていた。その涙のせいで渋谷区神山町にある彼の邸宅は東南アジアのようなねっとりとした湿気に包まれていた。 ナマ太郎を乗せた黒塗りのアウディA8が自宅エントランスに横付けされると、屋敷にいた5人の召使いは 「先生、戻られましっぁぁぁ!」の掛け声とともに控室にドサドサと逃げていった。 ナマ太郎は真っ青な顔で玄関をくぐると寝室に消えていった。 ナ

          青葉台人間力道場

          塾頭「青葉台人間力道場にようこそ。あなたたたちは令和の浮世を揺蕩う生まれたての小鹿だよな? しゃらくさい。俺は昭和、平成を生き抜き今ここに己の二本足で立っている。全ては人間力の賜物だ。あなたたちのような小鹿を俺が鍛えあけ、この浮世を乗りこなす虎に変えてやる。大事なことを一つ教えてやる。川の流れに身を任せるのはゴミと枯葉後は死体だけだ。あなたたちには見込みがある。淀んだ川の下流域に沈殿するゴミや枯れ葉にはなりたくないだろ?今のあなたたちはゴミや枯葉どころか淡水魚のクソ以下だ。さ

          青葉台人間力道場

          [和訳] Jamie XX /Dafodil

          ロンドンナイトシーンの為政者やってるJamie XX兄貴が日本時間9月18日に新譜をリリースします。 このページでは、リードシングルの『Dafodil』の和訳をペタペタ貼り付けます。 リリックの対訳を記したあとにいくつか補足説明をします。 [Introduction] It all started one summer night in London 全部ある夏の夜に始まった。ロンドンで Couple years back 数年前だよ It was crazy あれは

          [和訳] Jamie XX /Dafodil

          都知事候補の伴野さんに投票入れた方がいいよって言われたときのはなし。

          こんばんわ。梨沙です。 わたしは立川の定時制の高校を途中でなんか違うな、って思って辞めたあと。ずっと福生のスナックで働いてます。今は21歳です。 2年前に旦那のDVがげいいんで離婚した後、5歳の息子アイルと1歳の娘ヒメナと3人で暮らしてます。 仕事のストレスや子供のストレスもあって、この前、高校のときの友達の葵と一緒に歌舞伎町に一緒に2人で行ったときの話をします。 ※子供はほったらかしとかじゃなくて武蔵村山でネイルサロンをやってる友達とその旦那が預かってくれるってことでたま

          都知事候補の伴野さんに投票入れた方がいいよって言われたときのはなし。

          負けない。負けないんだ。負けない絶対積極株式会社様 座談会

          えっとですね。本日はですね。 負けない。負けないんだ。負けない絶対積極株式会社代表取締役、男川maximum富三郎氏にご登壇いただきましてですね。この令和の浮世をですね。いかにその手腕で生き抜いてきたのか、その真髄をですね。お話頂こうと思っております。 皆様、温かい拍手でお迎えください。 男川様、本日はよろしくお願いいたします。 会場 溢れんばかりの大歓声。 男川「負けない、負けない、自信があるから負けない。絶対負けない。わかる?」 司会「はぁ笑、具体的に男川さんは何と戦

          負けない。負けないんだ。負けない絶対積極株式会社様 座談会

          世界の終わりと小室哲哉ワンダーランド

          哲哉が目を覚まし身体を起こすと見慣れた東京都港区の高層マンション一室の景色はなく彼は見たこともない真っ白な四方の壁に自分が囲まれていることに気がつくのだった。 「ようやく目覚めたのかね。」 哲哉は状況を整理しようとした。坂本美冬さんとのイベントのために朝マネージャーがマンションエントランスに横付けしたメルセデスベンツS550プラグインハイブリッドに乗り込み10分ほど経ったところから記憶がなかった。 「ようやく目覚めたのかね。」 哲哉はこだわりのブロンドボブヘアの前頭部

          世界の終わりと小室哲哉ワンダーランド

          おっきい鳥

          納品ミスで2時間も遅れてしまった。6時半に着いていれば洗い物を見られずに洗濯機に突っ込むことができたのに。 光太郎にとって憂鬱な帰り道だった。 やましいことがあるから洗濯物を見られることに抵抗しているわけではなかった。 彼にとっての苦痛の源泉は袖や襟の茶色く変色したYシャツを目の前でじっくりと見られることにあった。妻は決まって光太郎の汚れたYシャツをじっくりとみた後だいたい5秒ほど目を瞑り最後には必ず深いため息をつくのだった。ため息は光太郎へのジャッジのように思えてならなか

          おっきい鳥

          息子

          スーパーで買い物をしていると、息子がどこかに消えた。鮮魚売り場に息子の後ろ姿にそっくりな子供がいたので「おい!一体どこに行っていたんだ」と言って頭を撫でた。 振り向いた子供は私の息子ではなかった。 「ではいきましょうか。」 私の息子ではない見知らぬ子供は私の手を掴むと、スーパーの外へと私を連れて行った。 「私は凸凹のないツルツルとしたきゅうりを好んで食べます。世間の人間は凸凹のあるきゅうりを選り分けてカゴに入れますが、私からするとあれは愚行なんです。あなたもそうは思いませ

          バービー藁人形、芋虫

          永らくバービー人形の恋人ケンに憧れていた。 屈託のない笑顔。白い歯を輝かせる感じのいいアイツ。アイツを目指すことによって俺はより良い自分を手に入れる。 日焼けサロン。胸筋を重点的に鍛えるトレーニングメニュー。3ヶ月に一度のホワイトニング。 ワイシャツを全てクリーニングに出す。 感じのいいアイツがやりそうなことをやる。 ケンはパイナップルジュースを飲んでそうだ。俺もパイナップルジュースを飲む。ケンは蕁麻疹の出ない心身ともに健康的な男だ。 蕁麻疹を止めるための薬をエビアン250

          バービー藁人形、芋虫

          ジュース

          アプリコットのジュースが飲みたい ほかのことはわからんなにも

          虎屋(メタファー)の子供

          虎屋の子供? 「そう。虎屋の子供。」 「なんでこんなとこにいるのよ?」 グラスについた口紅を手でゴシゴシしながら 私はそんなことを言ってしまう。 「ねえ、なんでこんなところにいるの?」 「うーん、なんて言うかな。俺は子供なんだけね、なんていうか。子供やらせてもらえんかったの。」 ほんの少しグラスを脇にずらす。 「虎屋の大人にもならない?」 「うーん、普通虎屋の子供は虎屋の大人になる。 でもね、俺は虎屋の子供のはずなのに子供になれなかった。だから虎屋の大人にもなれん。」 「じ

          虎屋(メタファー)の子供

          インタビュー

          電話が入る。 太く低い声が聞こえる。 「今まで誰にも言わなかったが俺は31の時に取引をしたんだよ。得体の知れないなにかと取引をしたわけだ。おかげであるレベルまで物事を組み立てることができた。組み立てた対価として色々な物を手に入れた。」 僕はその取引について踏み込んで聞くことにした。 「大手町に将門の首塚っていう場所があるだろう。ある種の野心を持っている人間は皆あそこに行く。将門に祈るわけだ。俺はそんなもん信じていなかったし第一野心なんてものもなかった。当然そんなところには

          インタビュー

          今日から始める文化資本詐欺②コスプレ・クワイエットラグジュアリーで根津美術館へ!

          バカはよく喋る。これは自己紹介だ。俺はバカだからよくしゃべる。聞かれてもいないことをベラベラと話し、人の話は右から左に聞き流してきた。自己紹介は終わりだ。 「物腰やらかく、静かに淡々と。」 これは昨今流行ってたクワイエットラグジュアリーというファッションの規範だ。 バカはついつい自分の存在をアピールしようとして大声を出す。自分に視線を向けさせるためにできるのがでかい声を出すことしかないからだ。 バカは声帯の無駄遣いと金の無駄遣い、自分の私生活の無駄な開示に定評がある。俺のこ

          今日から始める文化資本詐欺②コスプレ・クワイエットラグジュアリーで根津美術館へ!