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育児の大変さは感情労働にみつけたり

 やましろです。こんにちは。育児の大変さについて、近年大変に騒がれておりますね。個人が情報を発信する時代だからこそ、多くの親が仕事をしながら育児することは大変な事だぞ、と社会に異を唱えるのは良い傾向だと思います。

 しかしながら、多様な言葉を積み重ねられても、育児の大変さは経験してみなければピンとこなかったというのが私の正直な感想。妊娠が分かった瞬間から様々な恐ろしい記事を読み漁りましたが、自分事としてうまく落とし込めなかった。

一般的な育児の大変さ

 巷で囁かれる「育児の大変さ」は大別すると二種類です。

  • 自分の時間がない

  • 睡眠や体力が削られ精神が磨耗する

 まさにこの二つは出産後、ボロボロの極限状態から赤子をホイと渡され育児をスタートする母親にとっては、切実な問題です。しかも手の中には何だか…今にも死にそうなよく分からないけど可愛い生き物がいるのです(新生児は人間には見えない)。そういう表現にもならぁな。しかし、この二文だけではイマイチ育児の大変さが表現されていないと感じる。

感情労働とは

 そこで、いろいろな文献を読み漁りぴったりな言葉を見つけました。それが「感情労働」という言葉です。

困った時のwikiから引用すると、

”一般的な頭脳労働に比べ、人間の感情に労働の負荷が大きく作用し、労働が終了した後も達成感や充足感などが得られず、ほぼ連日、精神的な負担、重圧、ストレスを負わなければならないという点に感情労働の特徴がある”

Wikipediaより

 何を大袈裟な、頭脳労働と何が違うのか?という方は、仕事をする上で発生する社内の人間関係を思い浮かべてほしい。上司に比べて部下は明らかに精神的な負担があるのは多くの方に経験がはず。そう、アレのことだ。

 感情労働は、接客業や年功序列(の下の年代)で発生することが多い。

”つまり相手に尊厳の無償の明け渡しを半ば強制される健全とは言いがたい精神的な主従関係や軽度の隷属関係の強要である”

Wikipediaより

 ところで育児を始めると、子供を頂点とした親の隷属化による力関係のピラミッドが形成されていきます(自分調べ)。昭和の子育ては、親の不機嫌や暴力で子供を従わせるので親が頂点、真逆ですね。 

なぜ子供に接する事が接客業なのか。

 子供の前で素で話すこと、できますか。大人に話しかけるように話して、子供に100パー通じますかね。通じんでしょう。子供がわかるように噛み砕いて話しかけなければならない。ゆっくり丁寧に、声を高くして。しかもそんな親の話、子供は聞いちゃいません。気になるテレビ番組とかオモチャとかおやつがあったらもうそっちに一直線。そしたら赤信号で横断歩道を渡ってはいけないって話さえ即中断ですよ。

 それが一体”精神的な主従関係や軽度の隷属関係の強要”でないならなんだってんだよ!

 つまり親は子供に対しては常に目配せをしつつ適度に相手をしてやりつつ要求に応えつつと柔軟に対応しなければなりませんから、24時間感情労働をしているようなものなのです。

 接客業を少しでもした事がある方か、上司の機嫌に振り回された覚えがある方は、それを朝起きてから寝るまで(というか寝てても起こされて)相手と共にいてずっと行い続けることを想像してください。

 精神的に死にそうになることは想像に難くないと思います。

 言うて生まれたての新生児に感情労働なんてせんやろ!って思いますか。まぁ、あのいたいけな今にも死にそうな生物に素で話しかけて普通に接する事ができる人間はそもそもあんまり子供には気遣わない人かもしれないですね。大抵の人間はアワアワしながら「〇〇ちゃ〜ん!ミルクですよ〜!」と声高に接しますよ。

※乳幼児に対する語りかけをマザリーズ、と呼び、古くから研究がなされているようです。日本だけでなく世界的にある呼びかけ方法。元気がなくなると発現しにくくなるらしい。

リスクマネジメントと家事

 子供のお世話をするのは最低限のことです。衣食住の世話というのは本当に大変。大体糞尿吐瀉物との戦い。しかしそれだけでは完璧とは言えません。そう。奴ら、何もできないくせに自分の意思があるんですよ(言い方)。

 しかもかなりの確率で自ら死ににいきますからね(ヒント:寝返りを打って戻れない、赤信号に突っ込む、など)。発育には必要なことも多い。だからリスクマネジメントを行わなければならない。

 子供へのリスクマネジメントは子供の行動を予見することが対策としては一番確実なんですが、そんなものができるのは迅悠一くらいなので、地道に子供の観察を続けて何をしようとしているのかを理解していくことが大切。でもいきなり赤信号に飛び出すとかはマジで予見できないので、最適解は目を離さない一択となります。す、ストレス……。

 また、子供の成長具合に合わせて環境やおもちゃの調整が必要にもなるでしょう。ここら辺は本当に、常に手探りです。何人育ててもそうだと思う。

 また、子供だけ見てれば許される環境の方も中にはいらっしゃると思いますが、普通に親子だけで暮らしている家庭環境の方であれば、当然育児に加えて家事も発生するわけです。

 これも育児に加えて同時進行で、かつこれまでより高いレベルで要求されます(ヒント:子供はなんでも口に入れる。肌が弱いから大人と同じ洗剤系統は使えない、など)。個別対応が求められるイメージです。はい。

まとめ

 周囲のワーママ仲間は皆口々にこう言います(私も含めて)。

「私、育児向いてないみたいなんだよね」
「仕事してる方がよっぽど楽」
「もっと大人と喋りたい」

 しかし上記の内容を噛み砕いて想像した方にはこれらの言い分がもっともであるとご理解いただけるものと思います。つまり育児とは、

24時間、接客業(感情労働)と、リスクマネジメントをしつつ、高いレベルの家事を行なっている状態。

 そんなことをずっとしてたら人間おかしくもなりますよ、というお話でした。少しでも育児の大変さが伝わればいいなと思います。お読みいただき、ありがとうございました。

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