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来るかスパーズ・ルネサンス

 ディズニー・ルネサンスという言葉をご存知だろうか。
 今では敵なしのディズニーだが1980年代は長編アニメーション低迷していて、いわゆる暗黒期であった。
 しかし1989年公開の『リトルマーメイド』を皮切りに『美女と野獣』や『アラジン』そして『ライオンキング』など1990年代に公開された10作品は高い興行成績を記録し、ディズニーは自信と信頼を取り戻した。
 後にこのディズニーの挑戦と創造の90年代をディズニー・ルネサンスと呼ぶようになった。

 現在のスパーズを例えるならば80年代のディズニーだろうか、ダンカン・ジノビリ・パーカーのBIG3が引退し、22年連続で出場していたプレーオフもここ数年は逃してしまっている。        
 BIG3が健在していた頃と比べたら、現在は暗黒期と呼ばれても仕方ないのかもしれない。

 しかし、この辛い時期にドラフトで獲得した若手選手たちがようやく芽を出そうとしている。
 ケルドン・ジョンソン、デビン・ヴァッセル、そしてジェレミー・ソーハン。
 若手達の中で最初に頭角を表し、現在のスパーズの顔的存在のケルドン・ジョンソンはさしずめスパーズの『リトル・マーメイド』だろうか。
 その後、ヴァッセルやソーハンといったアカデミー賞ノミネート級のヒット作が続き、何よりこの後にはドラフト1位のウェンバンヤマが控えている。
 ウェンバンヤマは世界中から愛される児童文学の映画化みたいな存在で、アカデミー賞総ナメして当たり前のポテンシャルの持ち主である。

 この若手達を中心にスパーズは再び黄金期を取り戻し『スパーズ・ルネサンス』の時代を作ることができるだろうか。
 
 ディズニーとスパーズの違いは想像主の有無だろう。
 80年代にはウォルト・ディズニーは亡くなっていたが、スパーズには誰よりも勝利しているポポビッチHCがいる。
 ポポビッチが若手達を正しく導き、久しぶりのプレーオフを決めた瞬間、もう、『スパーズ・ルネサンス』は始まっているのかもしれない。
 

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