なぜ分母が0であってはいけないのか?

質問「なぜ分母が0ではいけないのか?」

分母が0でいけないのではなく、分母が0の場合は定義されない、というのが正しいです。

よくある以下の説明は、実は間違いです。

【説明】

今、5/xという数を考える。

x=1のとき5/x=5

x=0.1のとき0.5

x=0.01のとき0.05

x=0.001のとき0.005

・・・

このように、分母を小さくすると、限りなく大きな数になります。このような数を中学校では扱いません。したがって、ある数を0で割ることはできません。

【説明終わり】

繰り返しますが、この説明は間違いです。

なぜならば、上記は関数y=5/xについて、右側極限を考えた説明ですが、同時に左側極限も考えなければいけません。すると、肝心のx=0でこの関数は不連続です。したがって+∞と-∞に発散してるので極限値は存在しません。さて、このように考えると、∞を値として採用していない理由がよくわかります。

正しい理由は以下の通り。

今、たとえば、

2×■=6を考えたとします。

■=6÷2

という風に割り算は掛け算の逆演算として定義されます。

ここで、

0×■=6

を満たす■は存在しません。

したがって、6を0で割ることは考えないのです。

(終)

∞を扱わないことと、分母が0であってはいけない、ことは無関係です。


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