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秋の東京アドベンチャーライン(青梅線)

 こんにちは、だっぷです。

今回は少し趣向を変えて、乗り鉄をする。というのも、最近少し忙しくてむしゃくしゃしていたので、憂さ晴らしに自然を感じたかったのである。思い立ったが吉日ということで即実行。

 今回は「東京アドベンチャーライン」の別称をもつ、青梅線の青梅〜奥多摩間のご紹介。ついでに紅葉シーズンなので、紅葉狩りもしたい。

東京アドベンチャーラインは、意外と知られていないが絶景路線。終点までひたすら多摩川の左岸を走り続ける青梅線青梅以西は、多摩川が作ったV字谷に沿って走る。ただ、終点の奥多摩駅海抜高343mに位置するため、線路は勾配を緩和するために川や集落と比べかなり高い位置を走る。そのため、鉄道路線でよくありがちな、山が迫っている様な風景ではなく、東京離れした雄大な山々が立ち並び非常に壮観である。
かつては、その絶景を生かして「四季彩」という観光列車も運行されていた。復活しないかなあ…

ともかく、路線や沿線観光情報の詳細はリンク張っておくので、気になる人はどうぞ。


ということで、「東京アドベンチャーライン」区間の出発である青梅駅から。昭和レトロでノスタルジックな駅舎、普段は人も少なく、少し哀愁を感じるホームなのだが…


人が多い。


なんか昼間の吉祥寺駅みたいな列ができている。静かなイメージあったんだけど吉祥寺駅くらいガヤガヤしてる。なんでや。

ただ、電車を待っている人たちの服装は大体2パターンに分かれていた。
コートなどを羽織ったおしゃれな中年女性と、明らかに登山に行くだろうという服装と重そうなリュックを背負った人々。

奥多摩行の電車が入ってきて、待っていた客は賑やかなままゾロゾロと乗り込む。
11月の平日ということもあり、席が埋まってわずかに立ち客が出る程度だった。これでも空いている列車だったようで、帰りに御嶽駅ですれ違った下り奥多摩行は、御嶽を過ぎても立ち客がいた。夏のシーズン真っ盛り(特に8月の休日)だとさらに混雑ひどくなる。JRは増発してどうぞ。

そんな賑やかな電車は、赤塚不二夫記念館の閉鎖と共に汎用型に変わってしまった発車メロディーとともドアを閉め、走り出した。

基本的に東京アドベンチャーラインは、かなりノロノロ運転。大正時代とか昭和1ケタ台の開通なので、真っ直ぐトンネルでぶち抜く技術もなかったのだろう。あと、そもそも多摩川沿いに走るのでカーブが多い。そもそも開通が古過ぎる故に、ポイントでの25キロ制限とかがよくある。

その中でも宮ノ平までは、立川〜青梅の区間と遜色ない走りをする。
しかしそこからはノロノロ…日向和田、石神前、二俣尾と、青梅駅から川に沿って集落が続く。普通なら家建てないだろう土地にも家がある(が稀有にはみ出してたりとか)。東京都ブランドってやっぱすげえなと。

日向和田を発車した後くらいから、東京"アドベンチャー"ラインの片鱗が見え隠れする。進行方向左側には、大きな山々。そこまで標高は高くなさそうだが(多分3〜400mくらい)、多摩川で景色が落ち込む関係で、対岸の景色が見え始める(ちなみに対岸にも普通に街がある)。

そして、乗客に動きがあったのは沢井駅。先程の賑やかさのうち、おしゃれコート組が降りていった。
沢井駅の近くには「小澤酒造」という、地元では有名な酒蔵があり、試飲やら料理を食べるやらが出来る。私も成人したので、一度飲んでみたいものだ。

沢井駅を過ぎると、ちらちらと見える多摩川もゴツゴツとした非常に大きな岩が並び、いかにも上流らしい風景へと変貌する。そして山々はずっと緑。
よくよく考えたら、多摩川沿いの山は大半が杉林…そりゃ紅葉も落葉もしないわな。
ちなみに紅葉は、御嶽駅周辺とその対岸でちょびっと見つけることができた。綺麗。

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そして、重装の登山組も、軍畑と御嶽で降りていった。(まあそうだろうとは思っていたけど)
あと、登山道入り口の駅には、命を大切にという忠告の看板も。人通りも少なくて暗いからだろうなあ…アドベンチャーライン、人よりシカとかサルの遭遇率の方が高いからなあ…

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軍畑〜御嶽〜川井は、青梅線の車窓のピーク。川と山と、自然が創り出した上下方向に伸びるダイナミックな景色は、青梅街道や吉野街道からでは見られない絶景である。特に川井駅周辺では、奥多摩大橋の大きなコンクリートとのコントラストも楽しめる。

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川井を過ぎると、下を走っていた青梅街道の様子が少し見えるようになり、一時離れていた人の営みを再び垣間見る。

古里駅では、下車した人が「意外と寒い」と言っていた。
そりゃ奥多摩だから寒いっすよ。
青梅が40℃という歴史的な記録を作っても、意外と奥多摩は32℃くらいで済んでいたり、8月で最高28℃という年も。

鳩ノ巣駅は、昔ながらの駅舎。瓦屋根と木造駅舎、そして古びたホームの駅名標や支柱が旅情を引き立たせる。ちなみに駅から降りたところの「鳩美」という蕎麦屋が美味しくて個人的に好きだ。

そもそも御嶽駅や、以奥の奥多摩町である川井〜奥多摩間は、木造の駅舎などユニークな駅設備が多く、なにかと観光要素が散りばめられている。
白丸駅は、東京都で最も乗降客数が少ない駅。1日74人(2010年)という少なさを活かして、JRはなんかプログラムを行っているらしい(実証実験だったか永続的なものかは忘れたけど)。ガイアの夜明けかカンブリア宮殿かなんかでやってた。
また白丸駅の近くには(徒歩25分ほど)白丸ダムという湖があり、サップ体験や魚道見学など穴場が多い。

ちなみに白丸にも命を大切に看板あった。確かに1人で青梅線のこの区間乗ってる精神やられてそうな人がいたら不安になる。

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そして、長いトンネルを時速70kmくらいでかっ飛ばすと、カーブを描いて奥多摩駅に到着。人のいないところでマスクを外し、空気を吸ってみる。
新鮮で美味しい。

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ちなみに奥多摩駅の上にはカフェもあったりするので、行ってみてはいかがだろうか。ちなみに駅スタンプとともに青梅線・五日市線のパンフレットもあった。貰って来ればよかった…

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ここから奥多摩湖へ行こうとするとバスで30分ほどかかる上に本数も少ないので、今回はこのまま折り返して戻ることに。(ちなみにバスは駅向かい側のバスターミナルから出ます、奥多摩降りたら「奥多摩湖にはどうやって行くの?」と困惑している人がいたので一応ご案内)
↓こういう感じのバス乗り場です↓

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帰りは案の定人は少なく、7人掛けに2人くらい座る程度だった。

東京都内で自然を体験できる青梅線「東京アドベンチャーライン」の旅、いかがだろうか。
アドベンチャーラインのInstagramやFacebookもあるのでチェックされたし。色々な企画やってて面白い。無人駅総選挙とかやってる。知名度全然足りてない気がするけど。

また青梅市では、11月まで”MaaS”という、すごく端折って言うと観光のために交通を便利にする的なシステムの実証実験を行っている。アドベンチャーライン沿線や青梅に観光に行く人は使ってみるといいかも。


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