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文化財の撮影事例

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製品を用いた文化財の撮影事例を参考紹介しております。ぜひご覧ください。
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記事一覧

赤穂市資料『高札』の斜光式赤外線撮影

江戸時代に使用されていたお触書の高札。 長期間掲示されていたため、表面の墨はほぼ剥落し、墨の塗ってあった部分と塗っていなかった部分の風食(浸食)差によって、文字のあった部分は微妙な凹凸しか残っておらず、肉眼・通常撮影で観察するのは困難です。 赤外線の光を『高札』の真横から照射し、赤外線の反射光をIRシステムで撮影することによって、微妙な凹凸の内容が鮮明に見えるようになりました。 ■撮影協力:赤穂市教育員会

赤穂市資料『染形紙』の透過光式赤外線撮影

江戸時代に使用されていた、染物の文様を付けるための『染形紙』。 通常の撮影では、形紙の材料として使用されている反故紙に記載されている墨書の内容を確認するのは困難です。 赤外線の光を『染形紙』の下から照射し、赤外線の透過光を撮影することによって、反故紙に記載されている墨書の内容が鮮明に見えるようになりました。 ■撮影協力:赤穂市教育委員会

赤穂市資料『弥生土器』の赤外線撮影

有年原・田中遺跡から出土した弥生時代後期(約1,800年前)の『弥生土器』。 土器表面には煮炊に伴うススやコゲがみられるが、通常の撮影では汚れや黒斑と見分けが困難です。 IRシステムの赤外線撮影により、汚れや黒斑と見分け難いスス・コゲの状態が正確に記録でき、なおかつスス・コゲ下の調整と呼ばれる作業の跡も観察しやすくなりました。 ■撮影協力:赤穂市教育委員会

考古学で調査・記録を行うための撮影技術交流会を開催

京都橘大学 文学部 歴史遺産学科 准教授 中久保様  赤穂市教育委員会 文化財課 山中様  他4名様 今後の研究・調査・記録に活かして頂くために、デジタルアーカイブシステム『Rシステム/IRシステム』の“被写体全てにピントを合わせる深度合成機能”や“8000万画素の高精細画像を生成するハイレゾショット機能”、さらには”赤外線撮影による撮影効果“などを体感頂きました。 ■開催日時:2023年6月23日 ■開催場所:赤穂市立有年考古館

【国宝】鶴林寺太子堂の『仏涅槃図』部分図の赤外線撮影

刀田山鶴林寺(兵庫県)にある平安時代に建てられた【国宝】太子堂の中には、灯明のススで黒く覆われてしまい、肉眼では確認することが困難な”壁画”があります。 これらの壁画は赤外線撮影によって詳細確認できることが判明しています。 今回、IR システムの特長である“三脚ハイレゾショット”を用いることで、高精細な赤外線画像を取得できることが確認されました。 ■撮影協力:刀田山鶴林寺       特定非営利活動法人フィールド

井上関右衛門家資料『御用札』の赤外線撮影

堺鉄砲鍛冶屋敷井上関右衛門家にある取引先の大名の名が記された木製の資料『御用札』 経年劣化で表面が黒化しているため墨書の判読が困難となっていましたが、IRシステムによる赤外線撮影によって27枚あるすべての『御用札』の内容を判明させることができました。 さらに、パソコンからカメラをコントロールして撮影することで、簡単、且つ安全に、短時間で撮影することができました。

【国宝】鶴林寺太子堂の『仏涅槃図』全図の赤外線撮影

刀田山鶴林寺(兵庫県)にある平安時代に建てられた【国宝】太子堂の中には、灯明のススで黒く覆われてしまい、肉眼では確認することが困難な”壁画”があります。 これらの壁画は狭小空間の太子堂内にあり、 大面積の壁画『仏涅槃図』の全体を撮影するのは困難となります。 今回、小型・軽量のIR カメラの特長を活かし、大面積の壁画全体を1枚の高精細な赤外線画像にすることができました。 ■撮影協力:刀田山鶴林寺       特定非営利活動法人フィールド