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【MTGアリーナ】17Landsのデータを活用したデータドラフトのすすめ

1. 自己紹介

 こんにちは。Ombreと申します。初めましての方は初めまして!
 普段はハースストーンというデジタルカードゲームをメインでプレイしており、MTGでいうところのMPL/MRLに相当するアジア太平洋地域のグランドマスターに在籍しております。
 自他ともに認めるいわゆる「データ派」のプレイヤーで、ハースストーンの各デッキ・カードの勝率データをまとめた統計サイトHSReplay.netを普段から徹底的に活用しております。
 今回はMTGAで17Landsの各種データを活用した方法でミシックランクに到達することが出来たので、その方法や各データの活用法について書いていきます。題して「17Landsのデータを活用したデータドラフトのすすめ」です!

 本記事は有料記事となっており、全文をご覧頂くにはご購入して頂く必要があります。本記事作成にあたり、VOW環境に特化した内容ではなく各種データの説明や活用法をメインとし、汎用性の高い内容となるように意識して執筆致しました。またデータの取りまとめに使用するスプレッドシートの作成方法とドラフト中の運用方法についても記載し、本記事を読むことでご自身で自分用のデータシートを作成し、今後の新拡張においてもすぐに試すことができるように作成致しました。本記事を読むことで、「MTG Decklist Viewer」を用いて以下のような点数表を今後ご自身で作成し活用することが出来るようになっております。

17Landsのデータからこのような点数表を作成します!

2. きっかけ

 現在ハースストーンの競技シーンはオフシーズンです。このような期間はまったり読書をしたり好きなゲームを遊んだりしています。
 中でもMTGは過去16年間プレイしていたこともあり大好きなゲームです。
 前回のオフシーズンも17Landsのデータを分析してリミテッドでカード資産を集めながらミシックランクに到達したり、「MTGMELEE」から戦績データを集めて分析し、株式会社Sekappy主催のセカコロMTGへ招待選手として参加させて頂いたりなど、MTGAは各種データを活用し楽しみながら遊んでいました。
 そんな折、競技的にMTGに取り組んでいた頃から親交のあるNageさんからご連絡があり17Landsのデータについて知識を共有しているうちに「こういったデータ活用の話を一度まとめてみようかな」と思い、自分でも改めて情報を整理しながらプレイしミシックを目指すことにしました。
 12月14日にシルバーランクからプレイを始め、12月17日に無事ミシックランクに到達することが出来ました。

ミシックランク到達!

 今回きっかけをくださったNageさんはご自身のtwitch配信で精力的に配信をしています。環境分析や丁寧なプレイだけでなく、黒猫の六太君もとても可愛く素敵な配信です。カードショップNageyaもよろしくね!

3.「17Lands」について

 「17Lands」は、リミテッドフォーマットに特化したデータを取りまとめているサイトです。
 17Landstrackerを導入することで自身で行ったドラフトピックと、プレイに使用したデッキを記録することができ、それをSNSなどに共有しやすい形で集約することが出来ます。
 ピックを振り返り議論に使用したり、7-0で終えた際のデッキのスクリーンショットを忘れてしまった場合にも活用することが出来ます。
 また個人成績をエキスパンションとフォーマットごとに分類して記録することで勝率の確認や過去のピックの傾向などを確認することが出来ます。

 そしてその17Landstrackerを用いて集めた各種データを無料で公開しています。
 本記事で紹介するのは、ここで公開されている統計データを活用することでドラフトピックの指針となる点数表を作成し、それを用いてピックを行う方法となります。
 17Landsは無料で使用することができますが、サポートは常に募集中です。こちらのPatreonページから活動を支援することが出来ます。新機能の詳細説明や変更点の通知などの特典があります。

4. データ分析

4.1 どのデータを見ればよいのか。(カードデータ)

Analytics > Card Ratings

 これは12月17日時点でのVOW環境のプレミアドラフトにおけるカード毎のデータページです。こちらはページ上部のAnalytics→Card Ratingを選択することで見ることが出来ます。

 全ての数字が重要という訳ではありませんが、せっかくなので左から順にそれぞれ何を表しているのかを説明していきます。

・Name
 そのカードのカード名(英語)です。カード名の右側にある目のマークにカーソルを合わせることでカード画像を見ることが出来ます。

・Color
 そのカードの色です。Wが白、Uが青、Bが黒、Rが赤、Gが緑、空欄が無色となっています。マルチカラーの場合は複数の色が記載されます。

・#Seen
 ドラフト中にそのカードがパックに現れた回数です。

・ALSA( Avg. Last seen at )
 
ドラフト中にそのカードが最後に現れた巡目の平均値です。見た人がすぐに取るような人気なカードの場合ほぼ1になります。

・#Picked
  ドラフト中にそのカードがピックされた回数です。

・ATA( Avg.Take at )
 ドラフト中にそのカードがピックされた巡目の平均値です。こちらも見た人がすぐに取るような人気なカードの場合ほぼ1になります。

・GP( Number of Games Played )
 
そのカードがデッキに入った状態でプレイされたゲームの回数です。

・GP WR( Win Rate when Maindecked )
 そのカードがデッキに入った状態でプレイされたゲームの勝率です。

・#OH( Number of Games in Opening Hand )
 
そのカードが初手にある状態でプレイされたゲームの回数です。

・OH WR( Win Rate in Opening Hand )
 そのカードが初手にある状態でプレイされたゲームの勝率です。

・#GD( Number of Games Drawn Turn 1 or Later )
 そのカードが初手に無い状態で始まり、1ターン目以降に引いたゲームの回数です。

・GD WR( Win Rate when Drawn Turn 1 or Later )
 そのカードが初手に無い状態で始まり、1ターン目以降に引いたゲームの勝率です。

・#GIH( Number of Games in Hand (Opener or Drawn) )
 そのカードを手札に引いたゲームの回数です。

・GIH WR( Win Rate in Hand(Opener or Drawn) )
 そのカードを手札に引いたゲームの勝率です。

・#GND( Number of Games Not Drawn )
 デッキに入っているそのカードを引かなかったゲームの回数です。

・GND WR( Win Rate Not Drawn)
 デッキに入っているそのカードを引かなかったゲームの勝率です。

・IWD( Win Rate Improvement when Drawn)
 そのカードを引いたゲームの勝率( GIH WR )と、そのカードを引かなかったゲームの勝率( GND WR )の差です。

 以上が17Landsで見ることのできる各カードの統計データとなります。
 英語ではありますがそれぞれのデータを集計する際の条件や詳細等はこちらから見ることが出来ます。
  
 このうちHSReplayを4年間擦り切れるほど活用してきた経験から一般的なカードの強さを表すと考えられる特に重要な数値を選択し、点数表を作る基準とします。

※以下、有料部となります。
本記事は以下の人におすすめです。
・リミテッドにおいて明確なピックの指針が欲しい方。
・デジタルカードゲームにおけるデータ活用に興味がある方。
・私Ombreが普段どのようにゲームに取り組んでいるかに興味がある方。

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