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ノルウェーの森

お誕生日のお祝い。
するのもして貰うのも嬉し楽しくて好き。
ケータイを持った10代から、友人や親族のお祝いにはメールを送り合うようになった。
プレゼントやお手紙を贈るより軽いけれど、お互いの近況報告ができたり久々に会うきっかけになったりする大事にしていた習慣。

だけど、SNS時代…日本でFacebookのアクティブユーザーがガバっと増えた頃から、判で押したような「おめでとうございます」が並ぶタイムラインと、大量のお祝いの返事に苦労している友人を見かけるようになると、送ることに躊躇するようになった。

負担をかけるくらいなら、心の中でお祝いして幸福を祈るのがベストなのかもしれない(返信に時間割くより、楽しく過ごす日であって欲しい…)なんて思い直して、連絡するのを辞めてしまった。

一方、我が夫は「あ、今日は◯◯くんの誕生日だ!」と、マイペースにせっせとLINEを送っている。FBに誰某の誕生日と教えられる訳でもなく(「答え合わせ」に開く事はあるらしい)、自分で覚えている人たちをお祝いしているのだという。「お誕生日覚えてる人」っていう線引きが健全で素敵な気がした。
(と書きつつ、そもそもホントはそれが大前提なんだよな......と自分にツッコんだ)

夫がお祝いを送る相手には、私との共通の友人もたくさんいて、恩恵を被る形で私も近況を知ったり連絡を取り合うきっかけをもらったりしている。

先日は、学生時代の友人のお誕生日だった。お祝い連絡したのをきっかけに、その友人が宅録音源を公開している事を知った。

久々に聴いた彼の歌うBeatlesがとっても良くて......その日以来、我が家の鼻歌や作業BGMはBeatlesまみれになっている。

学生時代の10月には学祭があって、バンド組んで練習してライブやってたなぁなんて懐かしい思い出を運んできてくれたお誕生日のやりとりだった。


※我々は「Beatles訳詞研究会」というシブ〜い名前の、その実ふつうの(やや大人しめの)バンドサークルに所属していた。
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当時のサークル活動、普段はBeatles縛りじゃなくバンドやったり飲んでるだけなんだけど、学祭の時だけは年に一度のBeatles訳詞をして「訳詞集」なるものを発行する伝統が残っていた。
自分がどんな曲をどう訳したかなんて忘れちゃったけど、同期の女の子が「ノルウェーの森」の歌詞を女主人公で訳した作品が素敵だったことは今も覚えている。夢の中なのか、霧の中で起きた不思議な物語世界だった。

そんなわけで、カバー写真は先日行った箱根の山奥。
なんだか「ノルウェーの森」みたい!って思って(たぶん寒かっただけ)、その子のことを思い出しながら撮った写真。
たまたまだけど、ちょうどこの翌日が件の彼のお誕生日だった。

Beatlesが呼んでいる秋の夜長です。

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