動画をナメるな。怪談「逢魔が時物語」3.10号『凶相動画』

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　　　　　　　　　　　 ━━ 2024 ━━
　　　　　　　　★　怪談　逢魔が時物語　★

　　　　　　　　　　　　　3.10 #6

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　　　　　　　★ 逢魔が時物語へ、ようこそ ★

　ここは、あの世とこの世の間にあるユラユラとした境界です。
　今宵も、ゾッとする怖い話、不思議な話をお届けしましょう。

　では、3.10号は『凶相動画』という怪談です。

　　　　　　　　　　　　　　　逢魔プロジェクト主宰・雲谷斎

ーー　目　次 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

　■oma-kwaidan『凶相動画』
　　　　　・逢魔怪談「デジカメの声」
　　　　　・逢魔怪談「ビデオの子」

　■Information
　　　　　イベント　出版物　逢魔が時チャンネル　売店

　■oma-column
　　　　　・欲ばりなイベント

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　　怪談イベント＋魔界ウォーク。京都でダブルイベント！

　■cafe逢魔「怪談トークライブ＋魔界ウォーク」
　　4月7日（日）京都／ゲスト　宇津呂鹿太郎さん
　　https://note.com/omaproject/n/ndd1d97f9a8c9

　■cafe逢魔「花粉襲来放送」2月27日放送アーカイブ
　　https://www.youtube.com/watch?v=tsE2YVAXM-A
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　　　　　　　　　　　　逢魔怪談
　　　　～～～～～　「デジカメの声」　～～～～～

　ある夏のこと、大学の友人らと河原でバーべキューをした。
　私が着いたときは、まだ人数がそろっていなかった。

　気を遣って、場を仕切っている者が言った。
「みんな来たら、携帯で連絡するから散歩でもして来いよ」

　私はひとり、川の上流へ行ってみることにした。
　すると、美しいブルーの体色をしたカワセミを見つけた。

　珍しい鳥なので、デジカメで撮ろうと思った。
　しかし、なかなかピントが合わない。

　それならばと、デジカメで動画を撮ることにした。
　止まっていた枝から飛び立つまでを収めることができた。

　うまく撮れたかどうか再生してみようとボタンを押す。
　映像はちゃんと映っているが、音が変だった。

　
　テレビの砂嵐のような、ザーザー音だけが聞こえる。

　その場所は静かで、水の流れる音ぐらいしかなかった。
　砂嵐のようなノイズはどこからもしていなかった。

　デジカメが壊れたのかと思った。
　とりあえず保存だけはしておこうと液晶をタップする。

　数分の短い撮影だから、瞬時で完了するはずだった。
　ところが、いつまで経っても保存できない。
　あきらめかけた頃、やっと保存が終了した。

　そのうちバーベキューが始まり、デジカメ異常のことは忘れた。
　宴が終わり、暇になったときにふと思い出した。

　近くにいた友人たちに、デジカメの動画保存時間の話をした。
　すると、どうでもいいような感じで、見せてみろと言う。

　カワセミの動画を見せたが、音はノイズしか入っていない。
　すると、一人が何かに気づいた様子。

　「なぁ、これ、音大きくできるか？」

　私はデジカメの音量をマックスにした。
　砂嵐のようなノイズの奥に、奇妙な音声が聞き取れた。

　誰もいない場所なのに、誰かの声のようなものが入っている。
　但し、何を叫んでいるかは意味不明なのだが……。

　　　　　　　　　　　　　　・投稿：車輪さん（男性・岐阜県）

　《雲谷斎のイッチョ噛み》

　「水の流れる音が、人のささやき声に聞こえるときはあるけど、
　　叫び声は有り得ない。異変も一緒に保存したんやなぁ」

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　 　　　　　　　　　　 逢魔怪談
　　　　　～～～～～　「ビデオの子」　～～～～～

　いとこのお兄さん、Ｔ君から聞いた話。

　彼は高校生の頃、ビデオ部に入っていた。
　学校の行事の様子をビデオに撮っていたそうだ。

　ビデオ部に入ったばかりの頃。
　部員一人ずつビデオ作品を撮って発表しあうことになった。

　彼は近くの公園へ撮影に行った。
　日曜日の公園には、子供がいっぱい遊んでいた。

　買ったばかりのビデオで、噴水や鳩、遊んでいる子供たち
　などを適当に撮っていた。

　日も暮れてきたので、そろそろ帰ろうかと思ったときだった。
　すぐそばに外国人の可愛い女の子がいた。

　その子は彼のビデオカメラを物珍しそうに見ている。
　彼は最後にその女の子を撮ってあげた。

　大きな木と夕陽を背景にして、女の子は無邪気に笑っている。
　なかなか良いシーンが撮れたと思った。
　その女のに手を振って家に帰った。

　後日、作品発表会があり、他の部員にそのビデオを見せた。
　ところが、先輩や部員の多くが否定的な感想を口にする。
　ラストシーンが意味不明だという。

　木と夕陽だけを、長々と映している意図がよくわからない、と。

　外国人の女の子を撮ったのだと、懸命に説明する。
　もちろん彼の目にはビデオに女の子は映っている。
　数人だが、他の部員も同意してくれた。

　しかし、彼ら以外は女の子はどこにもいない、と言い張る。
　「見える」者と「見えない」者がいる。
　いつまで経っても平行線だった。

　結局、訳のわからないまま発表会は終わってしまった。

　　　　　　　　　　　　　　　　・投稿：水無瀬さん（女性）

　《雲谷斎のイッチョ噛み》　

　「見える人にしか見えんビデオの女の子……。霊的なものを
　　撮った？　撮ってから異変が起きた？　どっちやろ」

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　【読者便りー2.29号】

　「ついて来る女」
　寂しかったのかもしれませんねえ、ついて来た方は。
　お家までは来ないあたり、奥ゆかしさを感じるのは
　私だけでしょうかね。

　「散歩する女」
　わんこさんが警戒しなかったのであれば、災いをなす
　ような方ではなかったんでしょう。
　ひょっとして、わんこさんその幽霊さんを慰めてあげた
　かったんちゃう？

　　　　　　　　　　　　　　＜maoさん（女性・東京都）＞

　「ついて来る、憑いてくる、みたいなヤツは
　　霊的ストーカーちゅうことで閻魔が逮捕するらしい」雲

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　■イベント

　・席が埋まりつつありますよ。ダブルイベント！
　　cafe逢魔「怪談トークライブ＋魔界ウォーク」
　　4月7日（日）京都／ゲスト　宇津呂鹿太郎さん
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　・「怖すぎる実話怪談」シリーズ10冊（文庫ぎんが堂）
　・「泣ける怪談」本
　・「逢魔が時物語」本・CD
　お求めは売店で
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　京都魔界ウォークへ行ってみたい。怪談トークライブに行っ
　てみたい。はい、どちらも一日で解決ですよ。4月7日（日）
　cafe逢魔という名のもと『怪談トークライブ＋魔界ウォーク』
　という中身の濃いEVENTがあります。ゲストは宇津呂鹿太郎
　お兄さんが来てくれます。まだお席はありそうなので、ぜひ。

　■cafe逢魔『怪談トークライブ＋魔界ウォーク』4月7日（日）
　https://note.com/omaproject/n/ndd1d97f9a8c9

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