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東京のラーメン/醬油ラーメン5撰/麺処 篠はら

池袋要町「麺処 篠はら」

JR池袋駅。
立教大学がランドマークの街だ。
東口にはサンシャインシティなどを擁し、
東京に来るにあたりかなり訪れる頻度の高い街といえよう。

徒歩15分ほど駅前から真っ直ぐ歩いた先にある。
地下鉄有楽町線「要町駅」からは徒歩3分ほどにある。
せっかくなので東京情景を愉しむと共に徒歩で池袋から散策してみるのも面白いかも知れない。

東口十条の名店「麺処 ほん田」から独立をした
「麺処 篠はら」だ。

「食券先買い」

東京のラーメンはとにかく券売機が多い。
列があれば後ろについて食券を買うシステムである。
しかもお札が¥1,000しか使えない場合が多い。
店員さんに両替を頼むことも可能なのだが、忙しく作業してる場合も多く野暮なのでボクはあらかじめ¥1,000札を用意してから赴くようにしている(不要のコミュニケーションが苦手という説も多々あるが。)
今回は醬油そば(ラーメン)の特製(全部乗せ)をチョイスした。
店員さんに促された席へ座り食券を渡すと調理を開始してくれるので後は店内を覗いてみるなり、テーブルに置かれた能書きを見るなりして数分すると美味しいラーメンにありつける、というわけだ。

特製醬油そば
¥1,050

麗しい丼面である。
写真などを撮っている間にさっさと啜りつきたいものである。

まずお出迎え麩入り全粒粉平打ちストレート麺だ。
全粒粉とはパンなどにも使用されるより、小麦を強く感じさせてくれる小麦の胚芽まで漏れなく挽いてある粉のことである。
加水率(小麦粉に対する水の量)は高く水分が多くプリプリとした中にも全粒粉特有のパツリとした歯応えも有する小麦の香り豊かな麺だ。

それを包み込むスープは鯛が前面に押し出されており口に含むと想像していた醬油ラーメンとは一線を画する優しい味がする。
昨今の東京ラーメンは鶏油頼りの鶏鶏鶏な清湯(透き通った)醬油スープを散見するがここの醬油は一味違う。
後から貝出汁特有の少し強めのコハク酸と呼ばれる旨味成分が舌を刺激し動物系の旨味がどっしりとラーメンらしさをアピールしてくる。
醬油のブレンドの仕方も絶妙で醬油のエグさや強過ぎる酸味を一切感じさせない。
明らかに蕎麦を食べたのでは味わえない感覚である。
一口目で実に美味い目に遇う。
ミツバや香味野菜も口に入る度に印象が変わる。
どこから食べても香味油等の配置で味の変化が愉しめるようギミックが施されているのも面白い。

特製(全部乗せ)を選択するとチャーシューが四種類乗る。

まずは「肩ロースのレアチャーシュー」
低温度で真空調理された近頃の東京ラーメンではよく見かけるようになったタイプのチャーシュー。
このタイプのチャーシューは味と熱の入れ方が重要でしっかりと味を入れないと温度が低い分、肉の生臭さが口に障るし歯応えも悪くなってしまう。

ここ篠はらのレアチャーシューは甘じょっぱく仕上げられておりやや五葷(にんにくなど)の風味も感じスープと良く合うものだ。

二種目は「吊るし焼きチャーシュー」だ。
特製の直火窯に吊るして焼き上げ滴り落ちる肉汁で燻香をつけるというとても芳ばしく濃潤なモノだ。
コレが一枚乗るだけでスープのコクがグッと増す。

そして三種目は「焼豚」だ。
しっかりとローストされたチャーシューたるチャーシューである。
想像してるチャーシューがこれなんだけどこれがまた美味いんだ。

四種類目は「鶏むね肉のレアコンフィ」である。
割としっかり目に味はついているがサラダチキンなどとは一線を画するしっとりさは低温度調理の賜物である。

これら四種類のチャーシューを堪能しながら醬油ラーメンを愉しむ。
本当にあっという間に胃袋へ収まるのは言うまでもない。

味付け玉子を割ってみると想像以上のレアさに驚くだろう。
コレにももちろんしっかりと味が入っている。

能動的な数分間。
見てよし、嗅いでよし、味わってよし。
あっという間にその至福の時は終わる。


営業時間

11:00~14:30/18:30~21:00

11:00~14:30/18:00~20:30 [日・祝]
※売り切れ次第終了

定休日水曜日

座席

カウンター9席

備考

月一の塩営業の時などは大挙の列を成す。
通常営業の場合、昼時0時などを避ければスラリと入れるかと思う。
東十条の麺処 ほん田の出身。