【Spaghetti alla disperata】三種の絶望のスパゲッティを巡る冒険
絶望のスパゲッティ
(Spaghetti alla disperata)
耳にしたことがある方も多いであろう。
その絶望にもいくつかの種類が存在する。
なので正しい絶望を知るべくレシピを巡っていくとしよう。
まずは一つ目の絶望の世界を覗いてみるとしよう。
おや?なんたるシンプルな構成だろうか?
オイル、にんにく、唐辛子。
これではまるでパスタの代名詞の「アレ」ではないか?
やはりそうだ。
何も入らない。
アーリオオーリオ・ペペロンチーノではないか。
じっくりニンニクの香りを弱火でオイルに移し麺の茹で汁で乳化させていく。
第一の絶望
正にアレだ。
前途の通りアーリオオーリオ・ペペロンチーノのもう一つの名前が絶望のスパゲッティなのだ。
由来はこうだ。
食在庫に何も無く探しているとオリーブ油とニンニクと唐辛子とパスタが辛うじて出てきたのでそれを調理して食べた貧困の最中の絶望のスパゲッティ
しかしこの絶望━━━━
美味くね!?(゚д゚lll)
そうなのである。
ペペロンチーノはシンプルながらしっかりと方程式さえ守れば絶望どころかパスタ随一の存在なのである。
・水に1Lに対して1.5%の塩とオリーブオイル少々を茹で汁へ
・頻りに混ぜながら茹でる
・袋に表記されてる時間通りで茹でる
この辺を抑えて作ってみると良い。
非常に美味く調理できるから。
さぁ、二つ目の絶望の世界へ誘われる幕間に。
自家製麺などをご笑覧頂こう。
中華麺と違い割りかし簡単に打てるで候。
加水率は高めに設定。
では次の絶望、ご覚悟はよろしいか?
二番目の絶望はコイツから始まる。
ポルチーニ茸
またの名をセップ茸
乾燥したポルチーニを水出しして戻す。
こうなるまで戻し適宜に刻む。
もちろんコイツが主役なのだが戻した汁が副産物。 非常に、ひっじょ━━━に優秀な出汁となるのだ。
乾物の戻し汁はホント天恵。
旨味成分を余しなく吐き出してくれる。
使わない手はないのだ。
そしてヒロインがアッチューゲ。
つまりアンチョビだ。
イタリアンでは幅広く使われる鰯の発酵食品。
塩分と魚の塩気が強くいわゆる日本の塩辛だ。
今回はこの二種類を刻んでソースにしていく。
第二の絶望
まさかアンチョビとポルチーニ茸、潰したトマトの取り合わせとは。
ここからの二種類は諸説あるが由来はこうだ。
調理人泣かせの絶望
このアンチョビトマトのソースに刻んだトマトやセロリなどを大量に入れて煮込むレシピのバスタだった為調理人が「いつまで刻んでればいいのだ!?」と絶望に打ちひしがれたパスタ
という説(なんだかこじつけなような気もしないでもないけど笑)
どうやら自家製麺も上手く行ったようだ。
味としてはポルチーニ茸のビターさがアンチョビのエン味、トマトの酸味と絡みつき美味い。
がっちりと乳化させれば満足行く仕上がりになるだろう。
三番目の絶望もアンチョビから始まる。
一見アーリオオーリオ・ペペロンチーノのソースと変わらない気もするがアンチョビを思い切りすり潰してソースにするのでもうその時点で違ったものである。
しっかりと乳化させて白ワインを加え酸味を出す。
自家製麺でやってみる。
第三の絶望
仕上げにグラナ・パダーノチーズとパン粉を振り掛けイタリアンパセリを散らす。
白ワインの酸味と清涼感。
そこにグラナパダーノパン粉の濃厚なトロミ。
いや、これ美味くて絶望出来ないだろwwww
自家製麺とよく絡むではないか。
っと
三番目の絶望の逸話はこうだ。
パスタに肉が入っているかと思って食べ進めていたらただひたすらに野菜しか出て来なくて絶望した。
もはや絶望先生レベルのこじつけで絶望した!
否しかし、こうも違った「絶望のスパゲッティ」があるものなのだと感心してしまった。
食べて作って確かめてもっとイタリアンも奥深くまで知って行きたい所だ。