【ノンフィクション】ナンバー入り風俗嬢と同棲しちゃった(最終回)
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オレは意外にも仏教徒で中絶絶対反対派だ(避妊は認めます)。
だから、ぷー子にも生命の大切さを説いては見たものの暖簾に腕押しだったので諦めた。
オレはこの子供が不憫だったので、勝手に俺の養子にすることにした。
もちろん法律上の養子ではなく俺の心の中でのエア養子である。
オレは、お寺で供養したが、供養を申し込む際にその子の名前(自動的に性別も)が必要になるので、ぷー子には相談せずオレの判断で女の子だったという設定にした。
名前くらいは実の親につけてもらった方が良いと思いぷー子に聞くと「恭子」がいいという。単純に自分が好きな深田恭子から取ったらしい。
ただ、うれしそうにしていたのは恭子という名前を決める時だけで、後は勝手にしてくれと全く興味がなさそうだった。
オレは命日も勝手に決めて、実家の墓に気持ちの上でだけ入れてやることにしエア納骨しに行った。
実家の墓は、先祖代々のものではなく、存命中の父親が購入したものだ。
既に一人だけで眠っている母親に話かけると、
「寂しかったけどお友達ができて良かったよ。」と言っているようだった。
子供だから柔らくて甘いものの方が良いだろうと思い結構有名な店の焼きプリンを供えてやった。
オレは偽善者だが、オレみたいな人間でも存在を知られて初めて供養されてよかったと思う。
墓参りをした日、夜中寝ていたら、ミシミシと歩く足音が聞こえオレに近づいて来た(本当です!)。
恭子ちゃんがお礼に来たのかもしれない。オレは「現世なんかさまよってないで早く成仏した方がいいよ」と心の中で念じた。
供養の件についてぷー子に伝えたが、ぷー子の反応は何もなかった。
意図的に無視しているという感じではなく、本当に無関心だった。人の死、まして自分の子供の死というものに対して何も感じていないようだ。
オレのエア子供の行く末が、少し気になりお寺関係の偉い人に聞いてみた。
この話、あまりに不憫じゃないですか?と。
「人は生きながら日々の生活を通して業(前世以前に犯した罪)を償い、善を積んでいる。だが、その子は生まれてくることができない程、大きな業を持っており、中絶されこの世に生れることができないという重たい罰を受けた。その行為をもって業を償ったのかもしれない。」
そして、こう付け加えた。
「それでも、中絶されたことによって、あなたのように慈悲深い方と出会い、供養してもらうことができた。その子も今は幸せなのではないですか。」
最後までお読み下さり誠にありがとうございました。
登場人物は、恭子以外は全て仮名ですが恭子だけ本当の名前です。一時だけでも私が本気で好きだったぷー子の実子です。
少し恭子のことを思ってやって下さい。できるだけたくさんの人に思ってもらえれば恭子も幸せだと思います。
おしまい
(キーワード)風俗 中絶 妊娠中絶
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