575字架空日記

天然水、それは人類の秘宝。トレジャーハンターデベチョが見つけたとされる、生命をひっくり返す力を持つ宝石。当時は賢者の石、愚者のパズルと共に三大集団幻覚として扱われていた。しかし事件が起こる。架空の存在と思われていた賢者の石が度重なる技術革新により製造可能になったのだ。人類は狂喜した。賢者の石には等価交換を完全に無視した性質があるからだ。エネルギー問題も、地球温暖化も、賢者の石1マイクログラムで解決してしまう。人類は夢想した。残り二つの伝説も実現可能なのではないか、と。だがそこには大きな壁があった。愚者のパズルだ。どう言うことなのだろうか。その性質も働きすらも曖昧で、名前だけが一人歩きしている極めて厄介な伝説。それが愚者のパズルだった。最終的に人類はこれを七文字変えればスパムおにぎりになることを発見し、これが流行することで間接的にこれを解決した。そして、いよいよ天然水の番が来た。天然水については、超高度に発達していたとされる1000年前の古代文明が世界を牛耳った時に消滅したと言い伝えられている。言うなればロストテクノロジーだ。しかも厄介なことに、機械が地球を覆っている現代では原始的な環境を再現し天然水を出現させるのはきわめて困難だった。そこで注目されたのが牛乳だった。これにより天然水はなぜか復活した。この仕組みの行方は、誰も知らない。

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