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今日はいい天気で、窓から見える大きな空は、すーっと青い日でした。
今は、少し日が沈んできて、淡いオレンジ色とピンクみたいな紫色と水色のグラデーション。

あなたが私のお腹の中で命として形になってから、あっという間に7ヶ月。
やっと少し落ち着いて、手紙を書けるようになってきました。
あなたがやってきたはじめの頃は、私の人生の中で初めて経験することばかりで、
毎日戸惑いながら、不安になったり心配になったりしたんだけど、もう大丈夫。
お腹の中で、何をしてるのかわからないけど、とにかくゴロンゴロンと動くあなたの自由さに、毎日励まされています。

今日は、初めての手紙だから
まずは、あなたへの感謝の気持ちを。

あなたが訪れるまで。

あなたがお腹の中で命として形になってくれた頃、私は仕事で、3年がかりの大きなプロジェクトの佳境を迎えていました。
70人の部下を抱えながら、兼務で始まったプロジェクトで、1000人を超えるスタッフに影響するものだったから、社長との調整やらなんやらで、予定よりも大幅にスケジュールが押して、3年。
そんな状況だったから、帰宅は早くて22時。休日出勤もしていたし、終電で帰ることもあった。いま振り返れば、働きすぎてたな。
あなたのお父さんは、とても優しい人で、とても私を大事に想ってくれていて、だからこそ、そんな生活を送り続ける私に何度も苦言を呈してた。

私は、「無理をする」ことが通常モードで搭載されている節があって、
その分、体調を崩したり心のバランスを崩してしまうこともなく、やれてしまっていたんだよね。
でも、体調が良くても心が通常でも、自分の休日やあなたのお父さんとの時間を思うように確保して過ごせないことには、徐々にフラストレーションは溜まっていたと思う。

そんな時に、急に「私にとって大切なことってなに」みたいな問いが、
朝から晩まで、ずっと頭から離れなくなっていきました。

仕事は、順調だった方だと思う。
20代でトントンと昇進して、管理職。
スタッフと一緒にいろんな目標を達成したり、全社に関わるプロジェクトにも何度も入って形にしてきた。
それは楽しかったし、やりがいもあったし、本当に充実していたと思う。
けど、それは私の全てではない。
何か大切なことを後回しにしてしまっているような、大事な約束を忘れているような、そんな感覚になっていたのが、ちょうどあなたがやって来る半年前くらいからのことでした。

とにかく、ありがとう。

大事な約束を思い出せないような不安とか焦りみたいな感覚が続いて、
でも、その正体が何なのかさっぱりわからなくって、気持ちが弱気になっていた頃、あなたがお腹の中にきてくれました。
そのことがわかった瞬間、すごく嬉しくて、救われたような気持ちになりました。
ああ、あなたのことを待ってたんだったな、と自然と思いました。
不思議なくらい、自然にそう頭に浮かんできたんです。
私の毎日は、あなたがやってきてから、多分言葉では伝えきれないくらいに、
キラキラしたものになりました。
あなたのお父さんも、あなたが私のお腹にいることがわかった瞬間、
本当にキラッキラの笑顔で喜んでいました。
大切な人のそんな顔を見せてくれたのも、あなたです。

最初に書いた通り、当時私は取り組んでいる仕事が佳境でした。
妊娠がわかっても、初期はなかなか職場で誰にも言えなくて、あなたのことを心配しつつも、今まで通り働きました。
夜の帰り道、まだエコーでも小さな影のようにしか映らないほどに小さなあなたに、「今日も頑張ったね、ありがとう」と言いながら歩きました。
今でも本当に思っています。
私のお腹で育ってくれて、本当にありがとう。

まだ、触れることもできないあなたの存在に、
私は何度も何度も励まされて、強くしてもらいました。
それから、あなたのお父さんのおおらかさと大きな優しさと愛情を改めて、
毎日毎日感じて過ごしています。
全部、あなたのおかげ。ありがとう。

残り3ヶ月のお腹の中の世界

We are shaped and fashioned by what we love.

私は、これまでの自分ではない自分に会えることができそうです。
それはもちろん、あなたのお父さんとあなたのおかげ。
あと少し先の未来で、あなたと会えるのを楽しみにしています。
あと少し、私のお腹の中で存分に動きながら、
お腹から出てきた時に感じる地球の景色を楽しみにしててね。

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