見出し画像

水宙の星

湿度の高い夜の部屋って、水の中みたいだ

2023/6/14

そんな部屋の隅で体育座りする心、浮遊する身体、光を浴びる脳みそ。
ぜんぶ私なのに、私であるはずなのに、ぜんぶがばらばらだ。


自分のことを「ぺらぺらだ。なんて薄っぺらい人間なんだ。」と感じることがある。特に、ここ最近の三ケ月くらいは。
でも、それと同じくらいの頻度で「私って最高!ちゃんと自分を持っていて最高!」と感じることもある。特に、ここ最近の三ケ月くらいは。

どちらも「本当」なんだと思う。
「昼」と「夜」を繰り返すように、「満ちて」は「欠ける」ように。

ただ、この感情の行ったり来たりがかなりきつい。
突きつけられる現実。期待なんて自分にも世界にも絶対にしたくないのに、無駄に育ったポジティブが、自信が、邪魔をしてくる。光を、ちらつかせてくる。いっそのこと、「自分には何も無い」と言い切れるような人間になりたい。

「何かになれるような気がする、何にでもなれるような気がする」そんな自由が私を舞い上がらせ、宙ぶらりんの状態で置き去りにする。足が地につかないのは、すごく不安だ。どこへでも飛んで行けるのだろうけど、戻ってこれるのだろうか?いや、戻ってくる必要ってあるのだろうか?


問:将来の夢はありますか?
答:「可愛いおばあちゃんになること」です。


水宙に潜り沈む私がひとり、気持ちよさそうに藻掻いていると、「一緒に流れたいな」と声を掛けてくれた人間がいた。

(その手もあるのか…!)

ぐるぐる流れて廻って、螺旋階段のように上へ昇っていける気がした。そんな力がある人間なの、彼女は。


観測者からの「素敵」って、甘い毒。食べて吐いての繰り返し。
水分補給はしっかりしてね。海の水は飲んじゃだめだよ。涙も。


自分に窓をつくる。たまに開けて風を入れる。カーテンを開けて光を入れ、放つ。そしてまた閉めて潜り沈む。

(ブクブク…)

位置がわかっちゃうのは、ご愛嬌。どこまでも見つけて欲しいらしい。

開けた窓から入る風のおかげで、やっと呼吸ができるような そんな毎日

未定

この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,255件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?