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「上達の足かせ」とはなにか

私は「何かをうまくなる」ということがとても苦手です。「熱しやすく冷めやすい」のかな、と思うこともありますが、基本的には一定期間は割とのめりこんで遊びまくるので、ちょっとこの表現とは違うな、と思っています。

で、最近はゲーム配信をリアルタイムでやってる人がめちゃくちゃ多くて、いろんな人のいろんなゲームプレイを見たりして、その反応とか上達具合とかをガンガンに見ていたりしてます。

そういう動画を見てますと、やっぱりめちゃくちゃうまい人とかめちゃくちゃ下手な人とかいるわけですが、そういう方々の動画を見て、また自分でもいろんなゲームをプレイしてるなかで、その違いについて、ある日突然気づいたことを備忘録的に書き留めておこうと思います。

初学者、初心者のモチベーション

人は誰しも初心者であるという期間があります。初心者の人たちの行動のモチベーションはおおむね「○○できたら楽しい」という部分に集約されるかと思います。勝てたら楽しい、弾が当たったら楽しい、いつもより移動が素早くできたら楽しい、などなど、そういうほかの人たちが大部分できて当たり前のことができるようになる、という部分でモチベーションを維持してプレイするような感じだなぁと思います。最初できないことがたくさんあるので、できないことが出てきてもほかのことができるようになったりするので、「できないこと」に対してのストレスはあまりかからない時期だったりします。

中級者、上級者のモチベーション

こうして、いろんなことができるようになり、対人戦においても勝ったり負けたり、ということが増えてくると、モチベーションの源泉が少なからず、外部からの評価という部分が出てくるようになります。○○さんよりうまい、勝率が上がってきた、などです。また、この頃になると、自分ができないままでいることに対してのネガティブな影響度が大きくなっていき、これができないから負けた、このスキルが足りないからクオリティが上がらない、という状況が増えてきます。しかし、このころまでできないということは、これからも克服するまでに時間がかかるのではないか、と予測してしまうことになりますので、このストレスによって離脱するという人が出てくる時期でもあるなぁと思います。

上位プレイヤー、トッププレイヤー、プロのモチベーションってについて想像する。

思えば、オリンピックのメダリストや、スポーツのプロプレイヤー、有名なゲームプレイヤー、もしくは、人気歌手、動画制作者、イラストレーターなどなど、誰もが知ってるすごい人たち、という方々も初心者から中級者、上級者、といった時期を間違いなく幾ばくかは過ごしていたはずですが、それを乗り越えるモチベーションって、なんだったんだろうと思ったりするわけです。

ただ、それをいくら考えても「ほかの誰よりも好きだったから」「それしか人より抜きんでいることがなかったから」といった程度のことしか思いつかないんですよね。ということは、おそらく、モチベーションについてはほんとにそれくらいしかなかったんじゃないかなぁと思います。ただ、そうなると、じゃぁ、今までこの人たちはどうやってここまで続けてこれたんだろう、というのがすごい不思議に思っていました。この方たちとほかの人たちとの違いとは何なんでしょうか。

何が上達を阻むのか

人は誰しも「現状維持バイアス」というものがあり、それにより「今できていないことはずっとできない」と恐怖をもったり、「これは人よりできるから、やらなくてもいいか」とか、「これくらいできてれば今は満足」と考えたりしがちです。ひとつは、そういう内から湧いてくるストレスに対しての受け止め方や耐性などによって、その後の行動が人それぞれで変わってくるのかな、というのが一つ理由としてある気がします。

それに加えて、スキルというのものはうまくなればなるほど成長のスピードは鈍化していき、現状維持の期間が長くなっていきます。つまり、「何かを得ることの喜び」を得る機会が減り、達成感によって高揚することがなくなってきます。それをやることは日常であり、習慣となっていくので、何か特別なとらえ方をしてモチベーションを高めるようなことができなくなっていくため、そういう、モチベーションが維持しづらくなることも理由としてある気がします。

結局、「普段の日常」についての充実感を持ち続けられるかどうかという部分が重要

要は現状維持しかできない時期をどう過ごすか、ということが最重要なのかなと思います。試行錯誤の過程とか、実力の差を埋めるための習慣とか、息抜きや気分転換の頻度とかやり方とか、環境の見直しとか、そういう短期的には結果が見えない部分に対しての取り組みのとらえ方を、「ネガティブにとらえていない」かといって、「若干ポジティブ寄りではあるが、ポジティブにとらえすぎてもいない」という中庸な感覚で過ごしているんだと思います。

結局、日々の充実感というものをどれだけ細く長く維持できるか、ということが、すべてにおいて大事なことなんだと思います。
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」のような、穏やかな心持ちでいることが継続して上達していく秘訣なのかもしれません。


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