第15期しまね人財塾第4講福岡県企業視察研修③ イケヒコ・コーポレーション様
2024年11月15日 人財塾第4講2日目。
博多駅前のホテルからバスで約1時間20分。福岡県大木町にある、株式会社イケヒコ・コーポレーション様にお邪魔しました。
「第14回 日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞企業様です。
すぐ隣は熊本県と佐賀県。本当に福岡県でも一番島根から遠い場所。
先にお伝えすると、イケヒコ・コーポレーション様をPM12:00に出発し松江駅に到着したのは21:30分!9時間半のバスの旅となりました。
ずっと高速なら7時間くらいだとは思いますが、下道との併用でしたからね。皆さんお疲れさまでした。
イケヒコ・コーポレーション様(このあとはイケヒコ様と省略)は明治19年創業138年という老舗企業様、い草文化を世界に発信しておられる会社様です。い草というと熊本県をイメージしますが、まぁすぐ隣が熊本県ですからね。あの周辺はい草が盛んな産地だったのでしょう。
昔は生産者のほうが圧倒的に立場が強く、い草を売ってもらうのはたいへんだったとか。まぁサイトで調べればわかるようなことは割愛します。
社員さんは現在343名(うちPA70名含む)だそうです。売上100億の企業様。ただし、自社では製造はされず全て外注工場に作成をお願いされているそうです。いわゆるファブレス企業。
今回は社長様である猪口さんに訪問するにあたって、経営理念の浸透や重要性を講話で厚めにお話できないかお願いしておりました。
実際、経営理念手帳を全員に贈呈いただきましたが、とても参考になりました。よく人財育成又は人材育成の取り組みを教えていただく企業様は沢山ありますが、イケヒコ様は「社会人育成」に力を入れておられました。社員さん一人一人が立派な社会人になるための育成です。
面白いエピソードを聞かせていただきました。
会社の業務の中でお茶を入れたり掃除を重要視したり、昔のお母さんや近所のおばさんが当たり前にできたおもてなしというか、日常生活での所作ができない若者が増えているなかで、日常的にあえて効率重視ではなく、一人一人の成長のほうが大切だと考える猪口社長様はめんどくさいことも、社員さんにやってもらうそうです。仕事の上では非効率だと思えることも。
それが、社員さんが親族の集まりで行った所作を周囲がほめてくれたそうな。知らず知らずのうちに社会人として身につけるべき所作が身につく育成をされている。これ実はすごく大事。
猪口さんは「個々が意思決定をする力を身につけさせるためにも、そのような力が必要」と言われます。
勿論色々な取り組みをやろうとすると反対勢力や、自己本位な考えを言う社員様もいたそうです。そんな時に偶然か必然か、外部の研修に行かせたところ自分や自社のことを俯瞰してみれるようになり、猪口さんの取り組みに協力してくれるようになられたそうです。
これには皆がなるほど~と。
社員さんをOFFJTに出すことは実はOJTを進める上でも、共通言語を身につけるためにも非常に大切だと思いました。
経営理念手帳も社員さんが「私たちの理念手帳」と思ってもらえる取り組みをされている。
カリスマ経営者であった父が無くなり、社員全員がこの会社は大丈夫だろうか?という不安な中、経営のかじ取りを任せられた猪口さん。
先代とは違うやり方で、でも向かう方向は変わらず更なる進化を遂げていらっしゃいました。10年後、九州を代表するような企業様になること間違いないと感じました。