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スマスイありがとう、なんて言いたくない。

スマスイへ何度足を運んだことか、ちゃんと数えたことはない。

神戸市須磨区にある神戸市立須磨海浜水族園はスマスイの名で広く親しまれている。
私も以前神戸に住んでいた時に何度も何度も足を運んだものだ。多いときは毎週通った。

そんな私の人生を形作るひとつのピースであるスマスイが、2023年3月で閉園する。
すでに工事は始まっていて、シャチプールやイルカプールの大枠はできているらしい。
リニューアルして2024年に神戸須磨シーワールド(たぶん)としてオープンする予定らしい。
綺麗になるのは良いことだ。リゾート的なものになって賑わうのも悪い話ではないだろう。

だけど、私はあの親しみやすい市民の味方のスマスイが恋しい。

水族館がエンターテイメント化していないかと私は危惧している。というか、もうエンタメになってる。
本当は水族館は社会教育の場であって欲しいと私は思っている。たとネットや図鑑で見ても、本物を見たことにはならない。本物に会うことでしか得られない発見もある。そういったものが軽視されて見世物になりはしていないだろうか。

……という話は私のスマスイへの想いとは直接関係はない。話が脱線した。

私は、難しい話は関係なく、ただスマスイが好きなんだ。

元々私はただのオタクで、けものフレンズというアニメから動物に興味を持ち始めた。にわかと言ってもいい。海遊館でラッコのパタさんに会ってからはラッコオタクになった。
別にきっかけは何でもいい。行ってみると発見があったりするものだ。

スマスイにもラッコがいると聞き友達と訪れた。ラッコ館で明日花とラッキーを眺めた。かわいいな、というのと、思ったり大きいなという発見があった。このときはまだ明日花とラッキーの区別もつかなかった。
そのときは3時間くらいあれば回れるやろと思って全体をザッと見ただけだった(3時間では本当に「見る」ことしかできない)。友達もいたしあまり時間取れなかったってのもある。

私がスマスイを語るとどうしてもラッコの話が多くなってしまいがちだけど、本館にもイルカライブにもミュージアムショップにも全部思い入れがある。

波の大水槽は晴れた日に行くとすごく綺麗だ。
サンゴ礁の水槽は本物の生きたサンゴが暮らしている。これって実はすごいことだ。
アマゾン館のトンネル水槽は足下まで淡水魚が泳いで綺麗だ。
マゼランペンギンたちが巣穴にいる様子も観察した。
まだ赤ちゃんだったゴマフアザラシのメカブもずいぶん大きくなったようだ。
イルカライブはいつも圧巻だった。
ウミガメのメロンパンをいつも食べていた。

全てを写真に収めているわけではないので、どうしても伝えきれないことばかりだ。

今のスマスイが無くなってしまうのはつらい。
これだけスマスイのことを語っておきながら、スマスイへ通ったのは2年間ほどにすぎない。最後に行ってから4年も経つ。行けば良かったのに。まあそれなりの事情はあったんだけど。

スマスイありがとう、なんて言ってしまうと、もうあの空間が永遠に思い出の中に閉ざされてしまうような気がして辛いんだ。

今のスマスイのファンはきっと沢山いるだろう。私よりももっと思い出があって無くなってほしくないという人もいるだろう。

新しい水族館も魅力あるものだろうけど、私はまだ受け入れられないでいる。

せめて、今いる子達(飼育動物たち)が健康でい続けられれば。

スマスイは私の心の中で永遠に不滅です。

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