ビル・ゲイツのドキュメンタリーを観て
ここ最近の週末、3エピソードしか無いので1つずつ大切に観ていたドキュメンタリーの中で感じたことを書き留めておこうと思います。
Netflixの”天才の頭の中”というシリーズで、ビル・ゲイツが最初の3エピソードで取りあげられています。(私はこれまでビル・ゲイツの人柄について詳しくは知らなかったので、ほぼ無知からの学びでした。)
私はこれを1つずつ観て、その後、持った感想や、ビル・ゲイツの習慣や思考、行動を考えていました。
このドキュメンタリーを観た1番の感想は、この人は私の数少ない尊敬する人の1人になった、凡人の私でも真似できるところはやっていきたい、でした。
そこで理由も含めて感想を4テーマ位であげたいと思います。
1.出来るだろう・やってみようと思う範囲が他の人より広い、そして大局的な解決策を絶対に優先する
これはどのエピソードにも言えることなのですが、普通なら無理でしょ、っていうのが彼には通じない、そして解決する為に考えた1番効果がある方法から基本妥協しません。チャレンジ精神が本当に強いのだと感じました。それはきっとマイクロソフトを創業者として世界規模の大企業にした経験から得た自信もあるし、自分が表立って戦って独占企業と判決されて一旦敗訴したのを覆すまで行動を続けたレジリエンス力、そしてそもそも性格的に困難なことを乗り越えることを苦痛と感じない人なのだと子供・中高時代の経験を観ていて感じました。私も結構チャレンジ精神旺盛な性格だし、無理!!って時こそ燃えるタイプなので、その正しい使いかたと結果に何を求めるのか、の考え方の見本を見たようでした。例えば、エピソード2で、ポリオの根絶について触れていますが、天然痘のようにポリオ自体を撲滅すれば、今後大掛かりな予防やかかった後の治療費・設備が必要なくなります。(つまりランニングコストがほぼ要らなくなるのです。)だから、最初はお金がかかっても根絶する方法を諦めず実行していく。どこを抑えて、どこだと持続可能なラインかの見極めの分析が正しいからこそ、この判断が出来るのだと思いました。最近、コロナについても半分は無駄になるかもしれないけれど、ワクチン開発の工場7施設に資金を拠出、というニュースが上がっていたばかりですが、このドキュメンタリーを見て、私利私欲では無い(むしろ私利私欲の先回りをした)、世界全体を見据えた判断だったのかなと個人的には思いました。エピソード3では、ビル達が考えていた理想の原子炉を実現に向けて動き出そうとした瞬間、3.11の福島の原子炉の事態が起きて世論が一気に原子炉反対に傾いてしまうというタイミングの悪さの中でも自分達が正しいと思うことは続けていくのだという信念をとても感じました。
2.自分が使える脳とリソースを最大限有効活用する
彼自身が常に本を20冊持ち歩き、1週間引きこもって発行された本や統計を読みながら、紙を前に、思考と出来ることの整理を書いて行うそうです。(ここで、私は彼が紙媒体の情報をベースにこの行動をしていることが、正しい判断が出来る秘訣なのかなと思いました。インターネット上の情報より編集や公正も入って正しいものが多いから)Windowsのワードとエクセル作った人が、自分の思考と読んだ本の整理は紙でっていうのが、結局、そこに勝るものは無いんだなっていう結論に行き着いたのかな、とも。(ちなみにエピソード3で新原子炉の会議の様子が何度か映っていましたが、出席者全員、ノートにペンでメモ、というスタイルで、会議も結局そこなのかと面白い視点で見ていました笑)また、リソースを有効活用する、という点は、さすがの顔の広さを持って最新の技術を持った軍需産業の会社に下水処理の自動ろ過装置の発明を依頼したり、解決策を知らない人からも募るために自分の名前を使ってコンペしたり、財団のお金の使い方に関してはウォーレン・バフェットにアドバイスを貰ったり。自分の思考・視点が正しいとは思っているけれど、それが1人では実現不可能な時、そこにリスクが伴うとき、持っている人脈を最大限使って解決できるだけ、彼が功績を残しているからだし、そういう意味で結果が大事だと感じました。
3.決断力は発揮するが、パートナーの意見は尊重する(女性の意見の尊重を他者に示しているとも言える)
奥様のメリンダ・ゲイツもマイクロソフトでキャリアを築いただけあって優秀な方ですが、今のビル&メリンダ・ゲイツ財団に置いてはメリンダはパートナーという対等な立場だそうです。なのでエピソード1のアフリカに衛生的な公衆トイレを作る件でも、女性・母親の立場として男性からは忘れ去られそうな視点をきちんとビルにあげ、結果出来上がった最後を見たときはその意見が尊重されているなと思いました。エピソード3はメリンダとの関係についてもいくつか出てきますが、その中でビルが「メリンダは自分の良き理解者で、彼女と議論したり計画するのは有意義なんだ」と話しているのを見て本当に愛情深くてメリンダを対等のパートナーと考えている人なんだなと感じました。そして、財団の名前にパートナーの名前が入っているのも、女性を軽視しない姿勢、そしてメリンダが女性の対等を訴え、ビルは自分の影響力を自覚してパートナーを尊重する姿は、ビル・ゲイツ世代の男性の間では珍しいと思うし(日本にはほぼいないと思う)、彼の視点が人より先をいっているのだと実感しました。
4.”やらないよりはやる”慈善活動への使命感
ビルの母親は、60年代辺りに置いて唯一女性の役員だったくらい優秀な方だったそうですが、ビルをチャリティの場によく連れて行ったそうです。そういう環境で育てば、自分とは違う立場の人に自分が何ができるかを考え、それを行動することに違和感は感じません。だから今、ビルもメリンダも自分の国とかけ離れた場所に対して出来ることを専門家や企業・医師と組んで活動しているのだと思います。私もカトリックの学校で育ち、小学生の頃から貧困国の子供達や、アフリカの学校建設の為の募金活動(実際は親から貰ったお金を募金箱に入れるだけなのですが、募金先の状況は常に皆で勉強して貧困国の現状は感じていたし、各家庭の親はそういう精神の元にある学校だと理解して子供を入学させているのでそこに反対の意見を聞いたことがなかった)をして、クラスの誰1人これ無駄でしょって思わない環境で生きてきたので、インターネットが発達して大学生くらいになって、募金やチャリティ活動なんて偽善でしょ、って意見を見た瞬間結構な衝撃を受けました。このシリーズを通して感じたのは、2人が人を巻き込んで行っている活動は、お金があるから、引退して時間があるから、でもなく、自分達が出来ることをやるべきだという使命感からなのだということでした。最後のビルの母親の言葉の「重要なのは何を得て何を与えるかではなく”何になる”か」をそのまま体現しようとしているのだと思いました。私も偽善者だっていう人にはそう言わせておけばいい、それより”何になる”か、を常に意識した行動が出来る人でありたいと感じました。
このドキュメンタリーを見て、(元々の数字力の強さや地頭の良さはあるにせよ)努力からの成功、成功して色々言われても自分を信念を貫いて行動していくメンタリティ、そして成功した後はどういう視野を持ち生きていくのか、という、人生の段階においてお手本なる人だと私は受け取りました。
多くの信頼できるソース、データ(ファクト)から、多角的視点で物事を見て、頭の中を紙の上や人との議論で整理して、最適解を見つけていく。最適解を見つけたら妥協せず進めていく実行力を持って諦めない。これは今の私にでも日々のレベルで出来ることだと思っています。
ビル・ゲイツのように成功したいという意味ではなく、彼のように頭を使い、信念のもとに行動出来る人間でありたいと感じたドキュメンタリーでした。(ちなみに毎週20冊本を読むというのを見て、インプットとその内容の理解とメモが彼の全ての判断のベースにあるのだと実感したので、速読を学びたいと思いました笑)
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