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100記事記念「手」のちから

こんにちは。
11/11にnoteを始めました。この記事で(リンク集を除いて)100記事目です。 

このブログは「手づくり」「手作業」「お手当」など、手を動かして豊かな日々を得ることを目的に書いています。ですので100回の区切りとして、いつもお世話になっている「手」というものについてじっくりと考えてみながら手づくり生活を見直してみます。「手」をテーマにした本5冊を読んだエッセンスも書いておりますので、長くなりましたが、ウンチクお好きな方はぜひお読みください。※参考図書も最後に記載します。

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豊かな日々を送るため、手づくりしたりお手当てしたり、手には大変お世話になってきます。 

そんなわけで毎日なんらかの手仕事をしているわけですが、そもそも人間は、手を動かさずにはいられない動物で、常に触るもの、手を動かすことをしながら生きています。キリスト教でもイスラム教でも、球を繋いだ数珠のようなものがありましたが、それは念仏を唱えながら一つ一つ珠を触らせていくことで、人の心を落ち着かせる役目も果たしていました。人が今、スマホに夢中になるのも、スマホの中身が気になることもさることながら、触る対象物を求めるからだとも言う説もあります。

よく考えると私は、だんだん梅から梅干しに状態が変わっていく梅の実の感触を楽しんだり、刺繍をしたらできたところを何度も触ったりしているなと思います。

どうせ触るなら、心地のいいものに触れたほうがいいらしいのです。手は、第二の脳と言われるほどの優れた感覚器官だからです。なんと、手で触ったものによって、私たちの感情、行動にも影響がおよぶらしいんですね。ザラザラした手触りの悪いビーズを触ると自己中心的な思考になり、ツルツルした手触りの良いビーズを触ると他人のことも思いやった思考が持てるという実験結果があるそうです。  

みなさん、生の梅を触ったことありますか。
梅干しにすることができる、ちょっと熟したやつ。

ゴルフボールより少し小さめで、てのひらに包めるとしたら2、3個程度。触ると細かい細かい産毛が生えていて、ちょっとベルベットを触るのと似たような感覚を味わえます。グッと押すと潰れてしまうその繊細な梅の実を手でコロコロ転がして触って、洗ってまた拭いて…という作業はとても心地が良く、人のことを思いやれる思考になれているときだと確信できます。 

刺繍もそう。
できたところを触るの、気持ちがいいんですね。私が行うサテンステッチという技法は、面を糸で塗りつぶしていくのですが、きれいに並行に糸を渡せたらツルツルの光沢のある面が出来上がるので、できた時は快感です。

ほしろみさんのキャラ、公家イヌ
サテンステッチじゃないのも触ると気持ちいい


どうせ何か触らずには生きていられないのだったら、箸やフォーク持って口に物運んで食べてるよりは、手作業してた方がいいですよねっ!ダイエットにもなってるかも!? 

手仕事というものに、「下手の横好き」という言葉はないのではと思います。やると必ず慣れるし上達します。人によってスピードは違うかもしれないけれど、できれば毎日、同じ時間、それをすることに充てられれば上達するし自信も出てきて前頭葉が活性化、ひいては積極性のある自分になれるそうなんですよ!手作業すごい!!

何かを作るという行為は、出来上がりを楽しむためだけに行うのではないと、この振り返りをして、十分に感じました。 

作業自体が心を落ち着けるし、できたものをよく観察することで集中力を高め達成感も味わえる。また、制作物を通して人とコミュニケーションをしたり、使ったり食べたり、また売ったりなどすれば社会的な活動とつながっていく。

スマホで人間の活動のかなり多くの部分ができるようになったし、これからもっとできることは増えていくでしょう。だけど、そのスマホすら、私たち、手で動かしています。 

いつも当たり前に動いてくれている手に感謝をして、私はこれからも、手を使って社会への扉を開いていこうと心に決めた、100記事目でした。 

参考:
『手と脳』久保田競
『手の治癒力』山口創
『手の倫理』伊藤亜紗
『HANDS 手の精神史』ダリアン・リーダー
『妄想する頭 思考する手』暦本純一

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