仏さま、マジ卍! 第1話「仏さま、降臨!?」(2/2) #創作大賞2024 #漫画原作部門
「ぼ、菩薩…? 見習い…?」
状況を理解しようと、太郎は必死に頭を回転させる。しかし、目の前にいるイケメンが「菩薩見習い」を自称していること以外、何も飲み込めない。
「えーっと… つまり、あんたは仏様ってこと…っすか?」
恐る恐る尋ねる太郎に、アイムは「まあ、そんな感じだぜ」と軽く頷いた。
「もっと驚けよ! お前の前に、本物の仏様が現れたんだぜ!?」
アイムは、あきれたように肩をすくめた。
「いや、だって… 仏様って、もっとこう、後光が差してるとか… ありがたいお言葉が聞けるとか…」
太郎は、祖母の家の仏壇に飾られていた仏像を思い浮かべた。
「えー、イメージって大事だぜ? オレだって、ちゃんと後光くらい出せるんだぜ?」
そう言ってアイムは、指をパチンと鳴らした。
次の瞬間、彼の背後から眩いばかりの後光が放たれた… と思いきや、それは瞬く間に消え、代わりに焦げ臭い匂いが部屋中に充満した。
「げっ… やべっ、パワー調整ミスった…」
アイムは慌てて、煙を手で払いのけた。
「だ、大丈夫っすか…?」
「あ、ああ… まあ、よくあることだぜ…」
信じられない光景を目の当たりにして、太郎はますます混乱した。
(こ、こいつ、本当に仏様なのか…? なんか、イメージと全然違うんだけど…)
「ま、細かいことは気にすんな! とにかく、オレはお前を幸せにするために、この世にやってきたんだぜ!」
アイムは、自信満々に胸を張った。
「えっと… その「幸せにする」って、具体的には…?」
「そうだな… とりあえず、お前の願いを全部叶えてやるよ!」
「え…? 全部…?」
「ああ! 就職? 恋愛? お金? なんでも来い! オレは菩薩見習い、アイム様だ!」
胡散臭さ満点の笑顔で、アイムは太郎を見下ろした。
こうして、どん底大学生・田中太郎と、チャラすぎる菩薩見習い・アイムによる、現世利益コメディが開幕する!
(つづく)
この度のご縁に感謝いたします。貴方様の創作活動が、衆生の心に安らぎと悟りをもたらすことを願い、微力ながら応援させていただきます。