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#伝統工芸

職人文化がのこる町

企業と個人のお付合い、いわゆるBtoBやBtoCではなく、個人による個人のための仕事CtoCが注目されるようになってきました。もはや言うまでもなく、工場で大量につくられた製品に飽きて、自分らしいものを求めるようとする消費者が増えているのです。たとえば気に入った革職人の鞄を買って、その職人に修理も頼む。値段は高いけれど、信頼できる作家に頼めば自分にあったものができるので満足する。アフターケアも万全です。このように個人と個人が密接な関係をもっている例は少なくありません。とはいえ、

ペルシャの彩陶を復活させた日本人と、それを習得したイラン人たち

今から800年前ごろ、ペルシャ(現在のイラン)の陶器に広く用いられた技法に「ラスター彩」というものがある。ごく簡単に説明すれば、スズを含んだうわぐすりを塗って焼いた陶器に、金属酸化物を含む顔料で絵付けして再び焼く陶芸の技法。ラスター(luster)とは、英語で「光沢、輝き」を意味する。世界大百科事典(平凡社)によれば、「9世紀にメソポタミアで創始され、次いでエジプトに伝えられてファーティマ朝下で発達し、王朝滅亡後はイランに伝播した」という。 これまで、イランの博物館や日本の