やわらかい心と北斗の拳

今回も過去にフェイスブックで友人限定に書いた記事をアップします。これを書いた当時は、安部晋三とドナルド・トランプがリーダーの時代でした。それではどうぞ。

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今日は、同僚の具合が悪いということで、その担当の子も見たので帰るのが遅くなりました。それにプラスして曜日を勘違いした子まで来たので、かなり忙しかったです。遅い晩御飯を食べて、一息ついたところです。
ところで、「北斗の拳」という漫画はご存知でしょうか?
必殺の暗殺拳、「北斗神拳」をめぐる争いを書いた名作漫画です。僕が小学生の頃に大流行しました。
北斗神拳の使い手は主に「ケンシロウ」「トキ」「ラオウ」なのですが、ケンシロウとラオウは「剛の拳」の使い手です。剛の拳とは、相手がどんなに強くてもひるまず立ち向かい、一歩も引きさがることなく向かっていく拳法の質を表しています。
一方で、トキは「柔の拳」の使い手です。これは相手がものすごい勢いで攻めてくればその分だけ引き、相手の力を受け流してしまう拳法の質を表しています。
トキは「剛の拳」を激流に例え、「激流を制するは静水」と言います。滝の激しい流れも、静水に当たれば消えていくということです。
このトキのおかげで、北斗の拳は深みを増し、味わい深いものになりました。それまでの登場人物がすべて「剛の拳」の使い手だったからです。
それで、僕はこのトキの生き方に憧れていまして、仕事をするときに、困ったことがあると、いつも「トキの拳法を使うんだ」と自分に言い聞かせています。
例えば、生徒が不満を言い始めたり、授業中に寝てしまった場合でも決して怒らず、温厚に対応することを心がけています。
もし生徒の激しい感情に対して、こちらも激しい感情で対応したら、ぶつかり合って砕け散るだけですが、相手の激流を静水で包み込むようにすれば、互いに砕け散ることもないわけです。ですからトキの北斗神拳が大切なのです。
ドナルド・トランプのように「イスラム教徒は全部追放」「メキシコとアメリカの間に壁を作る」などの暴論は、すべて「剛の拳」です。
また安保法案の採決の仕方や、安倍政権のマスコミの抑え方、日銀の私物化、年金の私物化などはすべて「剛の拳」です。
剛、英語ではrigidといいますが、は強いように見えますが、硬い物体は強い力が加わると、すぐにバリっとヒビが入ってしまいます。
台風で強い風が吹くと、硬い木なんかは幹から折れてしまいます。
ところが、柔らかい木、しなやかな木は、風の力に逆らわず、幹を曲げて力を受け流してしまいます。これは「柔の拳」の例です。日本の高層ビルも、地震に備えてくにゃくにゃ曲がるように設計されています。
いま世界的に、感情が「剛の拳」の使い手となっています。硬直化する一方に見えます。こういうときに、柔の拳の心、トキの心でいたいと僕は思います。
漫画から得られる知識も大切だと思います。

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