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乗り鉄は人生そのもの

どうやら私は乗り鉄なんだと、最近気づきました。

たとえば、自宅から高崎まで新幹線やら特急やらを使って時間をかけずに行く方法はあるのに、わざわざ八高線に乗ったりする。東京なのに無人駅があったり、車窓からの景色が好きだったり、それと同じ理由で、JR上越線もお気に入りの路線。土佐くろしお鉄道もよいし、JR御殿場線もいい。充分乗り鉄か。最近知った特急「鎌倉」というのもある。埼玉県の吉川美南駅から鎌倉駅までを走る特別列車で、普段は旅客用ではない武蔵野貨物線を利用して走る。写真は、その車窓からの景色。

電車というより汽車という呼び方がしっくりくるような列車が好き。ゆっくりとした時間が流れて、乗り降りする地元に人たちを眺めながら、駅で降りて町に向かわなくてもその町の雰囲気が分かる感じ。

で、ある時ふと気づいたことがある。
山登りが好きじゃない、というか、全然興味がわかない。山の頂から望む広大な景色やハイライズのタワマンから見下ろす街、展望台から見おろす景色とか、とにかく、上から見下ろす(見晴らすも含め)ことに楽しさを全くと言っていいほど感じないことに気がついた。

5年くらい前からロードバイクに乗り始めて、なんちゃってバイカーとしてたまに往復60kmくらいのライドをする程度だけど、私にとってのロードバイクの醍醐味は、真っ直ぐにのびる道をただひたすら真っ直ぐに走ること。見える限りの道の先は細くなって見え、私の左右前後真上には視界を遮るものがない、そんな道をひたすら前に向かって走る。

高いところから見下ろすより見えるものは少ないし、距離も限られている。
道も線路も、遠くの先は見えないけれど、走るほどに見えなかった景色が見えてくる。それがとてもワクワクする。その先に何があるのだろうというスリルにも似たドキドキ感。

前を向いて先に進まないと、次に何が起きるのかは分からない人生と同じ。
平地を進む列車に乗るといつもそう思う。過ぎていく景色と目の前の景色とこれから見えてくる景色。

乗り鉄は壮大なコンセプトを孕んでいるのです。

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