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Cyberpunk2077をプレイした

先月の10日に発売されたCyberpunk 2077。私はというとAnthemのことを思い出し、正直発売日に買うことをやや躊躇っていた。
しかしその魅力に耐えられず、その日のうちにGEOに駆け出していた。
結論から言うと…最高に面白かった
原作であるTRPGのCyberpunk2020については全く知らなかったが、久々に寝食を忘れるほどのめり込んだ。

(ちなみに本編で詳しく語られない部分も含めこちらで世界観は把握できる)
https://www.4gamer.net/games/423/G042332/20200907074/

それで一通りクリアしたので感想とかを備忘録的に。ネタバレもあるので気にならない人、クリアした人向け。

ナイトシティとは

Cyberpunk2077の舞台であるナイトシティはネオンビカビカの広告、怪しい日本語、高度なテクノロジーが溢れ、暗黒メガコーポに支配される街だ。これは子供の頃に見て夢見た「ブレードランナー」の世界にかなり近いと感じた。(あと2814の「新しい日の誕生」とか)
そんな「夢の街」で自分の分身であるキャラクターを自由に操作できるというだけでも非常に魅力的だった。

ゲームの主人公「V」も、そんな夢の街でレジェンドになるという夢を抱きナイトシティに訪れる。彼は相棒のジャッキーと共に街のフィクサー達からの依頼をこなす傭兵として腕を上げていった。
そんな中、大物フィクサーのデクスから大企業「アラサカ」のトップシークレット「Relic」(ICチップのようなもの)を盗む依頼を受ける。
依頼は順調に進んだものの、予想外の事態が起こったために2人はRelicと共にアラサカから追われる身となる。ジャッキーは道中で銃を受け亡くなる。VはRelicを自分に挿し、逃げ切るものの、銃弾を頭部に受けてしまう。

しかしRelicはVを死から欺いた。Relicには、50年前にアラサカに対し大規模なテロを行った「ジョニー・シルヴァーハンド」の意識が保存されており、Vの意識と命を少しずつ侵食し始めた。
このゲームの目的は、残された余命の中で、脳内のジョニーとの奇妙な同棲(?)をしつつ、自身の命を救う方法を探していくことにある。

(こんな感じでVの前に現れ語りかけてくる)

キャラクター

本作にはさまざまなバックグラウンドを持つキャラクターが登場する。彼らを通してV(やプレイヤー)はナイトシティの様々な側面を見ることになる。

タケムラ
Vの窮地を救ったアラサカの人。アラサカから裏切り者扱いされており、汚名と主の復讐のため手を貸してくれる。



操作に慣れず自撮りを送っちゃったりするかわいい人。


最初はVのことを利用しようとしてたんだろうけど、接するうちに思い入れが湧いたりしたのかな…(じゃないとわざわざ月まで伝えにいかないもんね)
あと、最後の最後までRelicの中身がジョニーだったことを知らされなかったあたり、彼も企業にいいように搾取されていたのだろう。

ローグ
ジョニーの元恋人で、フィクサーもしてる。ジョニーと共にアラサカタワーを吹っ飛ばした。

50年前から止まっていたローグの時間が、自身を見つめ直したジョニーとの再会で少しずつ動き出していったのが良かった。ジョニーもジョニーで、柄にもなくデートに誘ったりして過去の埋め合わせをしようと頑張る姿はグッときた。

パナム
ローグがVに紹介した傭兵。アルデカルドスの長であるソウルと意見が合わず家出状態


Cyberpunkの世界は倫理観が終わってる人しかいないので、彼女をはじめアルデカルドスのメンバーはいい人ばかりで居心地がよかった。
ノーマッドのVは、クランの解散やジャッキーの死から孤独に生きようとするが、彼女を通して仲間や家族を改めて求めるようになる。
多くを失ったVの心が、少しでも救われたのは彼女たちのおかげかも。

オルト
ジョニーの恋人。人の記憶、人格をネットワーク上に吸い出しできるヤバいテックを作ったためアラサカに狙われる。
最終的に自分の魂をアップしサイバー空間に逃げ込むこととなる。中盤、Vとジョニーは再会を果たすがオルトは人ではなく全く別の存在へと変わっていた。

個人的には彼女との再会が物語での大きなターニングポイント。
ジョニーは元々神輿に辿り着き、Vの意識をコンストラクト化して身体を乗っ取るつもりだったのだろう。
だがオルトと再会し、コンストラクト化が人の在り方を大きく変容させることについて、彼は大きな恐れと危機感を抱いた。
こんな目に遭わせたくないと思ったのか…これを機に自分が消えてVを助けたいと思うようになったんだと思う。

気に入った点

サブクエスト
サブクエストが非常に充実している。マップに載っていないクエストも無数にあって、とってもボリューミー。
例えば局部のインプラントが故障した「股間火吹きマン」をクリニックまで運んだりする。

一方で、政治家夫妻の住居への侵入者を探るクエストでは謀略渦巻くナイトシティの一面を見ることになる。
今ここにある自我は果たして本当の自分なのか…攻殻機動隊を意識したような話だった。(クエスト中にジョニーがマリオネットって言い回しをしてたり)

またサブクエストでの選択や結果が、さまざまな影響(例えばニュースでの当選発表であったり、助けた人をノーマッドのキャンプで見かけたり)を世界に与えていることが感じ取れたのは好印象だった。

ブレインダンス
Cyberpunk世界には、ブレインダンス(以下BD)という娯楽が一般に浸透している。これは他人の体験、記憶をデータとして読み込み追体験できるというものだ。体験や記憶といっても、視覚や聴覚だけでなく温度なども感じ取れ、映画や娯楽(更には禅宗の修行までも)がこの形で提供されている。
このさまざまな感覚が記録される、というのが重要で物語ではBDを利用して謎解きを行っていく。記録に映った些細なこと、、例えば冷めたコーヒーやデリバリーのピザであったり、加害者の記憶から多角的に謎に迫っていくのは面白かった。(ある意味このゲーム自体、プレイヤーがVを体験するBDのようなものかもしれない)

小ネタ
サイバーパンクという世界観はさまざまな映画から影響を受け形成されている(らしい)。
そういったこともあり、本作にも多くの小ネタが見られたのが面白かった。
例えばトロフィーの名前でも


また慰霊堂には


サブクエストの中でも

といろいろある。こんな具合に遊び心が感じられたのはよかった。(ミスティがブレードランナーのプリスを意識してるのでは?というのも納得)

Never Fade away
Cyberpunk2077には印象的な曲が多かった。
Us CracksのPonPon Shit
https://m.youtube.com/watch?v=8CwFNFGSQV0&feature=youtu.be

私はトロコンのタイトルにもなっているこの曲
SamuraiのNever Fade Awayがすき。https://m.youtube.com/watch?v=AN1RJF55NXI&feature=youtu.be

"We lost everything We had to pay the price" (私たちは全てを失い、大きな代償を払った)
"We'll never fade away"(私たちは決して消え去ることはない)
元々オルトとジョニーに向けられたこの曲。
ストーリーをクリアする頃にはVとジョニーのこれまでの旅路を象徴するかのような曲に変わっていく。このゲームの全てがこの曲に集約されている。クリアした今聞いてみると無限に頷いてしまう。

バグ

とにかくバグやエラー落ちが多い。
聞いた感じ
・バグでクエストが進まない
・すぐにエラー落ち
・グラフィックがぼやけてる などなどらしい

私はPS4でのプレイだったので最も直面したのは頻繁なエラー落ちだった。SSD換装してるとはいえ体感結構ロード時間はかかるのでそこが煩わしかったくらい。何度「昨日のナイトシティの死亡者クイズ」を聞いたことか。
ただバグやエラー落ちはオープンワールドの宿命と受け入れてるので、「まあ仕方ないよね〜」くらいに考えてた。

いくつかストーリーが進まなくなるバグにも直面した。例えばVIOLENCE/熱情で、処理しなければならないリアムがいないような「そこにあるべきものがなくて進まない」というパターンが多かった。
こうした際はセーブデータを遡ってやり直すと経験上だいたい上手くいくが、本作は結構頻繁にオートセーブをしてるので救われることが多かった。ありがとうオートセーブ。

結論

Cyberpunk2077はバグやエラー落ちとの戦いでもあったが、それ以上に楽しかった。
チップ1つ読んでも、作り込まれた世界観。
何より自分にとっては子供の頃から憧れを抱いていた世界を、Vを通して体験できたのは得難い経験だった。
ありがとうCD Projekt Red。DLCも楽しみにしてるね。