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フェアトレードから一番遠い国、日本

今、都心を離れて地方に住んでいるが、地方におけるイオンやヨーカドーのような大型ショッピングセンターの存在感は大きい。地方の生活経済の中心といっても過言でないぐらいだ。

これだけ大きい規模の小売業者だと、生産者や卸売業者との力関係を見ても圧倒的に小売業者が強い。大量に買う代わりに、価格は安く、注文は多く、みたいな話で、大変な思いをしている農家さんの話も耳にするくらいだ。

そういえば、かつてアメリカの食品メーカー関係の仕事をしたときも、ウォルマートやターゲットのような巨大小売店のパワーがすごいことを知った。巨大小売店を中心に、生産・卸・運送などの業界がひれ伏す生態系(エコシステム)が出来上がっていた。

先日、そんな巨大小売店の人と話をする機会があった。そこではじめて知ったのだが、生態系の頂点のような彼らも売上確保は大変らしい。ニュースを調べると実際そうみたいだ。

ただ、よく考えればこれは構造上そうならざるを得ない部分もあると思う。価格が限界を超えて安いのだ。

海外では、フェアトレードやエシカルトレードといって、安すぎない価格できちんと商品を売ることで、発展途上国の生産者が不当な賃金で労働搾取されないようにしようという運動が続けられてきて、日本国内でもそのワードは浸透しつつある。

が、国内の生産者、卸業者はおろか、小売店でさえキツい状況を見ると、海外よりむしろ国内にこそフェアじゃないトレードになっているのだ。

そして、この日本経済の歪みみたいな状況を作っているのは他でもない、自分を含めた消費者なのだ。自分もハッと気づかされた。

景気がよくなると、企業の業績が上がり、給与が増えます。
すると消費も伸びるので、次第に物価も上がっていくはずなんです。
ところが、景気が良くなっても物価はなかなか上がっていない。
これが今の状況なんです。


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