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【古備前焼とは?】備前焼と古備前焼の違いを、古備前研究・鑑定の専門機関「古陶磁鑑定美術館」が解説!

「古備前焼」とは、一体何を意味するのでしょうか?備前焼と古備前焼の違いは、何でしょうか?

古備前水指古伊部水指 古陶磁鑑定美術館 古備前焼の年代鑑定 木村弥兵次 弥平次

今回は、古備前研究の第一人者「古陶磁鑑定美術館」が、古備前焼と備前焼の違いや特徴、見分け方を分かりやすく解説します。

【古備前焼】とは、文字通り「古い」備前焼のことです。岡山県備前市伊部地区付近で作られたため、古伊部焼などとも呼ばれます。備前焼は、今でも伊部焼という言い方もされています。

ちなみに、これが「どのくらい古くなる」と、備前焼でなく「古備前焼」となるのでしょうか。

青備前角徳利 青備前

答えは、「江戸時代以前」になります。

すなわち、江戸時代よりも前の備前焼を「古備前焼」と呼び、明治時代以降の備前焼を現在の備前焼と呼び分けているのです。

この理由は様々ですが、主な理由としては、①江戸時代までは大窯という共同窯で備前焼を焼いていたが明治時代以降は個人窯で焼くようになったこと、②アンティークの基準となる約100年以上前(江戸時代)の作品であること、が挙げられます。

古備前種壺 古備前壺 古備前波状文壺 古備前窯印壺

ちなみに「古備前焼」の黄金時代は、室町時代後期~江戸時代前期にかけてでしょう。なぜなら、この時代は、茶の湯の道具として備前焼が重宝された時代だからです。

時は、戦国時代。

当時の茶会記には、豊臣秀吉、千利休、明智光秀、古田織部、黒田官兵衛、今井宗久、津田宗及、山上宗二、小堀遠州、金森宗和、荒木村重などの著名な茶人や大名たちが、備前焼の茶道具を使った記録が残っています。

そんな古備前焼の代表的な茶道具に「建水」があります。建水は、「水こぼし」などの別称がある茶道具です。

桃山建水 備前桃山建水 古備前建水 古備前桃山建水 古備前水こぼし 桃山備前 古備前桃山時代 桃山時代備前焼 桃山時代備前建水

備前焼の建水は、安土桃山時代の茶会で使われた建水の中で、最も使われました。当時の茶人であれば、一度は使っていたと言っても過言ではないでしょう。

当時の伝来品は非常に貴重です。おそらく、現存している作品は、「3点」もないのではないでしょうか。

古備前焼の年代鑑定 古陶磁鑑定美術館

そんな安土桃山時代の貴重な古備前焼の建水を、古陶磁鑑定美術館のホームページで特別に公開中です。

ぜひご覧ください。

古陶磁鑑定美術館では、書籍【古備前焼の年代鑑定】を出版しました。古備前焼の鑑定を科学的な根拠に基づいて分かりやすく解説しています。

古陶磁鑑定美術館ホームページ:【 https://www.oldbizen.com/ 】
備前焼の年代鑑定:【https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784434291814

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