見出し画像

Virtual to Vocaloid vol.1から見る音楽即売会のこれから

昨今、やっとCOVID-19の影響が収まりつつあり、段々と日常を取り戻そうとする動きがある一方で、まだまだ油断の出来ない情勢が続いています。

コロナウイルスの影響下では、数々のイベントがまだまだ開催自粛を余儀なくされ、即売会でもコミックマーケット98は初の開催中止
コミックマーケット99は未定。M3はCOVID-19の流行の水面下で行われ、多くのサークル参加者が参加を辞退。一部で批判の声も上がりました。

そんな最中で、即売会をインターネット 上で行うという試みが行われています。

画像5

△コミックVケットの会場の様子
(中央は空4氏によるSurround yoUというサークル。ぜろぷろを推せ。)


実際、コミックVケットは、2020年4月10日から開催されたVR空間上で行われた世界初のコミック即売会で、VRchat、cluster、STYLYといったVRアプリケーションで参加出来ました。
コミックマーケットやコミティアといった本を取り扱う現実の即売会のようにVR空間上にある薄い本を手に取って実際に読むことが出来るため、実際の即売会を歩くような感覚を得られる特徴がありました。
コミックVケットを主催するVR法人HIKINYは、バーチャルマーケットという世界最大のVR展示会を行っており、バーチャル空間でのイベント事業などに取り組んでいます。

さて、2020年5月。新たなフォーマットとなりそうなVR即売会がNEXTLIGHTOn Prism Recordsの同人レーベル合同で開催されました。

画像2

△Virtual to Vocaloid vol.1の会場にあったロゴ。
"バーチャル空間のボカロエレクトロイベント"と謡っている。

今回開催されたのは、「Virtual to Vocaloid vol.1」。ボカロエレクトロを中心としたVRイベントとしてVRchat上で開催され、第1回の今回は即売会として開催されたようだ。

画像3

△バーチャル空間上の会場。
看板の前の一つ一つがサークルスペースとなっている。

画像4

△サークルスペース。今回は14サークルが参加。

イベントでは、私がJOINした時点でワールド内に30名ものVOCALOIDファンがお互いに好きなVOCALOIDの話をし合い、ボカロPに会ってはそのPに自分の思いの丈を伝える様子も見られた。
もちろんVOCALOID曲の即売会であるため、会場では視聴も可能。
VR空間でサークルスペースの前に立つことで、そのサークルの売り出す曲が再生される。曲は会場にあるboothなどのQRコードを読み取るか、公式サイトから飛ぶことで購入ができた。

画像5

△各サークルスペースには、そのサークルの売り出すジャケットが配置され、手に取ることが出来る。

このようにM3などの音楽即売会とあまり変わらず、音楽を即売会で楽しむことができた。
また、VRchatなどのVR SNSではフランクな会話が行われるのが常々で、ワールドの道端にいる人に話しかけることも稀ではないため、実際の即売会よりもコミュニケーションが捗るかもしれない。

また、2020年5月25日には、先述のVR法人HIKINYからMusicVketの発表があった
VRイベント最王手がオーガナイズするイベントともあって盛り上がること間違いなしだ。また、彼らは数多くの新進気鋭のクリエイターなどにより、イベントが作られているので、Virtual to Vocaloid vol.1よりもさらに凝ったギミックが入った会場になることだろう。

また、このようなイベントは開催する敷居は高いが、今後もこのような音楽即売会がさらに開かれることに期待したい。

VRChat ・・・ Graham GaylorとJesse Joudreyによって開発されたVR SNS。
ユーザーが3DCGソフトを用いてバーチャル空間(=ワールド)を作り、その空間上で自分が作成した3Dアバターでコミュニケーションなどを楽しめるのが特徴。参加には、VR機器は必須でなく、PCのみの参加も可能。
詳しくはこちら

筆者: 古月(@D_ran_koga_mas
2016年、週刊ニコニコランキング編集部、週マス編集部に入部。
専門学校と独学で音響を学ぶ傍ら様々な音響作品やSCPの同人誌などを制作。2019年、SCP-Eveの音響スタッフとして技術チームに参加。以降、数々のVTuberのスタッフとして携わり、今に至る。

[2020/5/25 追記: MusicVketについて追記・一部修正]
[2020/5/26 一部修正]

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?