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Q.エストロゲンがなくなったら性生活にどんな影響があるの、という疑問について

卵巣がなくなったり卵巣機能が失われたりすると、女性ホルモンの分泌がなくなってしまいます。
治療後体の中にあるホルモン量は数週間をかけて徐々に低下していくと言われています。
しかし自然閉経するよりも急激にホルモン量が減っていく関係で症状が強く出る可能性があります。

女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンのことを指しますが、
今回はセックスに影響を与えるエストロゲンについて一緒に勉強したいと思います。

もともとエストロゲンが正常に分泌されている場合、
腟の上皮細胞に作用して、分裂や増殖を促しています。
細胞運動が活発化していることで、腟の粘膜は厚く保たれます。
このような細胞の状態が保たれていると、
性的に興奮したときに、腟の血流が増加し、腟上皮細胞から潤滑液を放出します。これが濡れた状態、ということです。
また単にしぼんだ空間であった腟が伸び、幅が広がります。
このような膣の状態になることで、挿入する準備をするのです。

エストロゲンがなくなると上皮細胞が薄くなり、伸びにくくなってしまいます。そのため興奮しても腟の細胞がうまく働かず濡れないなと感じたり、痛みを感じたりするのです。

またエストロゲンは自律神経の調整に大きく関与しています。
自律神経は血管が収縮したり拡張したりする運動に影響しているので、
ときどきこの動きがうまくいかなくなって、ホットフラッシュという現象が起きることがあります。
ホットフラッシュは夜に起きることが多く、それらが性生活への興味を少なくしてしまう可能性もあります。

ただこれらはどうしようもない状態ではなく、対処法がある変化です。
様々な方法を紹介しながら、がんサバイバーが実際にどのように対応しているのかをこれから伝えていければと思います。

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