哀愁しんでれらの感想

哀愁しんでれら

キラキラと配置した宝石、今をときめく俳優陣
素敵なシンデレラストーリーだと思い観て
映画館を出る頃には頭を鈍器で殴られた感覚で出る事となる。

小さい頃に読み聞かされたお伽噺のシンデレラは辛い生活の後、王子様に出会い幸せになっていったはずだった。

実際は王子様に出会うこと無く、淡々と生活する毎日。彼女も夢を描きながらも私達と変わらない生活を過ごしている。
貧しいながらも家族が身を寄せ合い、過去に囚われながらも世の中の悪を一瞥する人。

冒頭は本当に夢物語の様だった、導入部分の息をつく間もない悲劇
ヒロインは最初から幸せではない、どん底から奇跡の様な出会いを王子様とする。

王子様は望む物をくれ、これでハッピーエンドになるはず!だったがそれを迎えさせてはくれない作品。

王子様には王子様の世界、そして連れ子の気難しい性格。
物語と共に個性も色彩も濃くなっていく。

そして、いつからボタンをかけ間違えたのか?
散々はまらなかったボタンに新たなかけ場所を
見つけた時、既に遅かったと気付く。

彼女の家族は私達と変わらず、物事を片一方から見た物でしか判断が出来ていなかった。

見終わった時に何も声が出なかった。
1人1人の痛みを読み取るまで大層時間をかけて、結果最適な解が出ない映画となる。まさに鈍器で殴られたままとなる。理解できそうで理解出来ないエンドを迎える。

これは、子供の頃に聞いたシンデレラでなく大人の現実的な物語だった。


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