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「地球へ…」考

竹宮恵子さんの漫画

「地球へ…」。

年月に全く色あせることのない

私の漫画人生の不動のナンバーワンです。

汚染された未来の地球

どこで暮らしどんな職業に就くか

生殖から家庭から個々の心のひだまで、

人生の全てを

コンピュータに支配される世界。


そんな社会に生まれてくる

「ミュウ」という

超能力を持った新人類は、

コンピュータ「マザー」によって

徹底的に排除されるのでした。


生き延びたミュウ達は互いに呼び合い集まり、

宇宙船を奪って

「地球」を目指します。

ミュウの指導者ブルーは、

ジョミーという少年を

次代の指導者として見出し、彼の成長を見つめ続けます。

ジョミーが成人を迎えた日、

ブルーは強引に

彼らの宇宙船へ

迎え入れるのでした。

ここから物語は大きく動き出します。

新人類ミュウと人類の対立

機械に支配される社会への疑問

マザーコンピュータの申し子でエリートでありながら

この社会のあり方に苦悩するキース。

キースとジョミー。

コンピュータ「マザー」とジョミーとキース。

避けられない戦いを、切ないこころの揺らぎを、

彼らは彼らの願いのために、

生き抜いてゆきます。

宇宙を舞台にした壮大なドラマです。


ですが。

最近ふと思ったのです。

ブルーは自分たちのことしか考えてない。

ジョミーの人生なんてどうでも良かったんじゃないかって。

ブルーは

強い生命力と超能力を持ったジョミーを

強引に彼らの宇宙船に迎え入れます。


訳もわからず連れてこられたジョミーは

「僕の人生をめちゃくちゃにして!」

と怒るのですが(当然だと思います)

「では記憶を消去されて、歯車にひとつになる生き方が良かったのか。」

と逆に尋ねられて

「そのほうがよかった!」

と答えます。

実際、成人を境にそれまでの記憶を消去する社会ですから

ジョミーにとってもそれが当然だったのです。


ブルーは

同胞を地球に連れて行くこと

生まれてくるミュウの生きる場所を勝ち取ること

それしか考えていない。

ジョミーがどう思うか

ジョミーの希望とか

全く無視。

ブルーの(ミュウの)価値観を一方的に押しつけてる。


幸い?ジョミーは

ミュウの悲願に

ソルジャーの切ないまでの思いに

次第に共感するようになり、

ブルーの死後

「ソルジャー・シン」として次代の指導者となり、

ミュウを率いて戦い抜き、

地球にゆきます。

ジョミーがミュウと行動を共にしなかったら

そもそも話が始まらないわけですが。


ミュウの女性占い師

「フィシス」

彼女は出生の秘密がいろいろとあるのですが

彼女の特殊能力は

触れた手の先から

触れられた相手の心の奥の奥まで

降りてゆくことができること。

ぴったりと手を当てて、

相手の体を包み込むその姿勢は

私がマッサージ師をこころざした

原点だと思うのです。










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