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52ヘルツのクジラたち

予告見てとても気になっていたので、公開を今か今かと楽しみにしていました!
諸事情により、本日2回観に行くことになり昼と夜の2連続で観てきました。
流石に変態です。

そんな変態の洗練された(?)レポ報告させていただきます。
以下、ネタバレ含みますので、是非観る予定の方はご遠慮ください!

杉崎花主演で、志尊淳が出ている。
こんなに贅沢なキャストは間違いないと満を持して劇場に足を運びました。

まず、相当メンタルを削られましたね。笑
こんなにも幸せになるのを許してもらえないものかと、、

貴瑚(杉崎花)は、幼少期から母親から虐待を受けて育った女の子で成人してからもずっと家の中に閉じ込められており、義父の介護を母親から強いられています。
自身の幸せを諦めてしまっている貴瑚は、いつも通り義父の介護に一日を費やします。
その日もご飯を食べさせていると突然義父が喉をつっかえてしまい病院へと搬送され、逆流性肺炎であると診断されます。
母親から「お前が介護が嫌になってお父さんを殺そうとした、お父さんじゃなくお前が死ねば良かったんだ」と人目を憚らずぶたれます。
この時点でだいぶメンタルやられますが、これはきこの悲劇の序章に過ぎませんでした。
↑こんな言い方はさも辛くないような言い草になってしまうのですが、とんでもない。こんなのあったら自分はやってられないなと思う反面、その後の貴瑚の物語が想像を絶する苦しさで、観ていてだいぶもってかれます。

自殺しようとする貴瑚を寸前で助け出す杏吾(志尊淳)。
たまたま街中で間一髪救いますが、偶然にも杏吾は貴瑚の友人美晴(小野花梨)の職場の同僚でした。

この2人が貴瑚の生きる糧となっていきます。

52ヘルツのクジラたち
52ヘルツで鳴くクジラの声は音域が高過ぎて他のクジラたちには聴こえない声なのだそうです。
その声は誰にも届かない大きな海でひとりぼっちのクジラ。作中では最初そう語られていました。
でもほんとは違うんです。その声を聴き取れる仲間たちが海のどこかにきっといるんです。
貴瑚を救ったのはそんな声を聞き取ってくれた杏吾がいてくれたおかげです。
杏吾もまた声の発信者であることに気づけなかった貴瑚は深く傷を負いますが、これからは誰かの声を聞くことのできる人間になられるように、杏吾が自分にそうしてくれたように誰かを支えられる人間へと成長していく、自信が壮絶な人生を送ってきたからこそ誰かに寄り添える本当に優しさでできたストーリーだと思います。

言い方を考えずに表現すると、この作品はたくさんのクズが出てきます。
「見方によっては」とかではなく正真正銘誰から見ても公認のクズたちです。精鋭です。傭兵です。
ただ、クズの男、女を演じるのって相当難しいと思うので、演技面ではピカイチの面々なのですが、視聴側としては相当メンタルやられる要因になります。笑
クズの解像度が高過ぎて、きっとほんとにこう言う人たちが世の中にはいるんだなと。

自分は人生経験が浅いので杏吾や貴瑚みたいに声に寄り添うことはできないかもしれませんが、せめて美晴のように大切な友人の側にいて共に笑い合える存在であれたらいいなと思います。
最後、綺麗事すぎたかな…まず、クズにはならないように精一杯生きます。笑

もう一つのテーマが親子の関係。
様々なタイプの親が出てきます。
虐待親やネグレクト親、自身の子の変化に戸惑う親、血は繋がってなくとも子に愛を注ぐ親。
既に子供がいる方やこれから親になられる方々に是非観ていただいただきたいと思いました。
私自身は残念ながら、相手もいないので予定はありませんが、奔放な子供に振り回される親もいれば、抵抗のできない子供をペットのように扱う親もいるのが事実です。
許せないという気持ちは持ちながらもその子供たちにあてられたフォーカスを注意深く見てみるとそこに大きなメッセージが込められていると私は感じました。

2回でも観られる作品なので、少しでも興味のある方は是非劇場で!

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