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その場しのぎの経済政策

6年間で1.45倍の円安

4月29日、急速に進む円安を食い止めるために、政府や日銀が5兆円規模で市場に介入したのではないか、という噂が広まっている。真偽はさておき160円台まで上がった株価が翌30日の夕方には-4円の156円台後半に下がっている。

去年の今頃、2023年5月で140円台、2022年5月で130円程度、2018年5月で110円前後と、6年間で1.45倍の差の50円近い幅が出ている。それよりも1日で3-4円の幅で円安を食い止めるよりも根本的な経済政策も必要だ。

そもそも円安とは?

円安の要因はさまざまにあるが、大まかには「世界経済の中でどれだけ日本人の労働力が重要視されているか」の評価のことだ。日本の労働力が秀でていればいるほど円高になり、労働力の評価が他国に比べ落ちると円安になる。

1980年代から2000年代は自動車産業や家電業界で世界でも一目を置く企業や技術力があった。現在では外国勢の伸びもあり、日本人でなくても作れる商品が少なくなっている。

日本人しか作れないもの、日本に頼んだ方が他国よりもいいものができる、その評価が為替相場に現れる。2011年には75円まで円高が進んだ。現在の倍以上の円の価値である。

「日本の労働の質を全世界に対して水準の高いものを維持すること」が長期的な円高にむけた経済政策といえる。

もしくは国内で幸せになる

円安が進み輸入品が高くなれば、日本国内の商品や企業のサービスを使う流れも強まるかもしれない。例えば建設業。建設業では国内で賄うことがほぼ皆無に近い。大工は年々減り、建築材料は外国産のサッシや木材を輸入が一般的。国内の建築材料と大工技術に絞れば、半世紀前と比べ惨憺たる結果だ。IT関連では、パソコンやスマートフォンなど生活に欠かせないものになっているが外国の機器とサービスを使うことが主となっている。

国内で古くから必要とされてきた産業も弱くなり、新しい産業で必要になっているものも外国に頼っている分野もある。経済大国をあきらめるのであれば、本当に生活に必要なものを見直して必要な分野は国内企業に投資をする経済政策を行う必要がある。

日本でどんな店が多いか

コンビニの数は約5.7万店舗。ドラッグストアーは2.2万店舗と増加が続く。チェーン店であったり、粗利が大きく在庫管理がしやすい業態がお金儲けのしやすさから増えている。

経済だけの物差しだと生活に必要な店というよりもお金儲けがしやすい店舗が増える。しかし町にコンビニとドラッグストアーばかりになっても果たして住みやすいといえるのだろうか。

まちの豆腐屋や、空き地が潰れて高層マンションが建つ例も少なくない。

どんな店に囲まれて住みたいか

日本経済を大きくするには「つみたてNISA」などで話題の金融政策も力を入れる必要がある。

加えて円高を進めるには世界と比べて日本の労働力の評価を上げる必要がある。今の働き盛りの会社員や経営者が世界を意識しながら対抗できるように働きつつ、次世代にどう学ばせるかの工夫による。

しかし、経済だけを追いかけても暮らしにくい。経済規模を大きくする方向とは別に、日本国内で生活に必要なものや質を良くするものは何かを考え、まちの豆腐屋さんや緑のある公園、立派な古民家など経済的に不釣り合いな業種に投資をしていくことも重要な政策ではないだろうか。





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