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「年刊花林花2023」を読む⑪内藤都望氏

花林花という句会がある。
先日「年刊花林花2023」を頂いた。

各同人の花林花抄二十句の連作から、掲載順に感銘句を紹介。
※新しい同人のため十句連作が掲載されている。

内藤都望氏「幽霊人」より。

ひまわりのうつむいて見る今日明日

ひまわり目線の句だと読みました。ひまわりが元気に咲いている時ではなく、終わりかけで中心部分が種になりかけて、うつむき始めている頃の様子。元気なひまわりの句が多い中で着眼点が良い。

クチナシのだらしなく甘い帰り道

クチナシの甘くてまとわりつくような香りを思い出す句。それを「だらしなく」とした点が上手いと思います。帰り道とあるので実景っぽく、さらにだらしなさが強調されているように思う。

半身ない蟬も無駄なくいただきます

蟻目線の句だと思いました。最近、昆虫食が話題ですがどうもそうではなさそう。こんなに素直に蟬を「いただきます」出来るの蟻じゃないだろうか。
半身ない蟬は地面に落ちていそうな点も考えると、「蟻説」を提唱します。

日常でよく見かけるであろうものを、一味角度の違う着眼点から詠んでいて、「そうきたか!」と思いました。

以上。

続く。

最後までお読みいただきありがとうございました。 もっと面白い記事を書けるように日々頑張ります。 次回もお楽しみに!