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職場体験で嵌められた話

今回は俺が中2の時に受けた最大の屈辱エピソードを話したいと思う。

忘れもしないあれは中2の5月、、、、あ、いや6月か?7月?まあそれは置いといて、中2の職場体験で起きた出来事である。

当時夢も希望もない普通の中学生だった俺は、「家から近いから」という不純度100%の理由で某家電屋をチョイスした。今思えばこのチョイスこそが全ての元凶だったと思う。

迎えた当日。俺を含め5人いたメンバーは始めに1日面倒を見てくれる担当者の方と挨拶をし、店の掃除から取りかかった。

この時使用したのは学校にあるようなホウキと塵取り。どうでもいいがこの時俺は「え、家電屋なのに掃除機使って掃除しないんや、、。」ってツッコミそうになったのを必死に堪えていた。

掃除をした後は、「前出し」と呼ばれる棚の商品をひたすら前に出していく作業をした。

5人が各々作業をしている際、1人のイケイケな社員さんが俺たちのもとにやってきた。その人は担当者の方に「この中で一人、借りて良い?」

担当者は二つ返事で了承し、俺たち5人の中で1人がなぜかイケイケの人に借り出されるイベントが始まった。

イケイケの人は全員を見渡した後、俺の肩を叩き「よし、君に特別ミッションを与えよう!」と中学生がワクワクしそうなセリフを繰り出し、裏の作業場へと誘った。

この時の俺の心情は言うまでもなく超浮かれてた。「みんなができない仕事をやらせてもらえるんだ!ワクワク!」みたいな感じ。完全に世の中を全く知らないクソガキそのものだった。

作業場に着き、与えられた仕事の内容は以下のものであった。
①ここにお客さんに送るハガキ400枚がある。
②うちの店舗が出したことを証明するため店舗名が記載されたハンコを押す必要がある。
③その大役を君に任せたい。

頭の良い読者の方は余裕で気づいたと思うが、

ただの雑用である。

完全にバイトか社員がやるべきことであって、1ミリも職場体験の色がない作業。しかし中2の俺は疑うことすら知らずただ愚直に従ったのだった。

途中で見回りに来た担任の先生の苦虫を噛み潰したような顔は忘れられない。(まあ流石にキラキラした表情でひたすらハンコ押してる生徒に向かって「お前がやっとる仕事、ただの雑用やで。」とは言えないけど。)

閑話休題。

無事作業を終え他のメンバーと合流した際今まで何をしていたか聞くと、「レジ打ちや裏の商品の整理をしていた。」とのこと。

その時すかさず俺の中のコナン君が「あれれぇ〜おかしいぞぉ〜」と推理を始めた。

熟考の末、俺は思った。
「(、、、、、、、ハメられた!!!!)」

それと同時に俺の脳内ではひたすらライアーゲームのBGMが流れていた。(OPじゃなくてピンチの時に流れるやつ)そしてあのイケイケ社員(笑)がフクナガに見えて仕方がなかった。

そして同時に思った。
「ああ、この世はそれらしい言葉を並べて平気で人を利用する奴がいるんだ。」と。

普通の人間ならここでショックを受ける所だが、当時感性が若干バグってた俺は悲しむことなくむしろ良い学びの機会を与えてくれてありがとうと思った。

自分の身を守るためには、自分を利用しようとする人を見極める洗練された視点が必要だと言うことをあの社員は教えてくれた。言わずもがな普通の職場体験だったら学べないことだった。

後日談として職場体験のレポートを新聞形式で書いて提出する機会が設けられたが、あえてこの出来事は書かなかった。

なぜなら先生が求める物は、「社会に出ることの難しさを学びました!」みたいなテンプレ作文だからだ。(ちゃんとニーズに答える俺偉い。)

今回も締め時を見失ったので急に終わる。

見てくれた方あざした。