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お笑い初期衝動

52.同じ種類

田中三球と話してるうちに、彼とは好きな笑い・世界観が近いと感じるようになった。

いや、それどころか。
彼を見てると、“もう一人の自分”を見ているような、そんな気すらした。

それまでの人生での境遇・出会ってきた人が違うことで、田中三球と僕は違う人間として形成されてるが、実はその根っこにあるものはほとんど同じなのではないか。
そんなふうに思えてならなかった。

もう少しわかりやすく例えようか。

田中三球と僕は、同じ種類の植物の種だった。
でも、育てる際に与える水の量や、肥料の種類、天候の違いなどにより、結果、咲いた花の色・大きさは若干違った。という感じ。

仕上がりは違うけど、元は同じ種類のもの。

周囲の、表面しか見ないような人達は気がつかなくても、当人同士では「同じ種類だね」と以心伝心的にわかるものがあった。

僕達はよく意気投合し。喋ってるうちに終電をなくしたときなどは、お互いの家に泊まったりもするようになった。

そうして、どちらが言い出したわけでもなく。
僕と田中三球は、気がつけば、自然とコンビを組んでいた。



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