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お笑い初期衝動

38.ドルバッキーの初のネタ見せ

結成したばかりのコンビ・ドルバッキーとして、養成所での初のネタ見せだ。

僕達は、台本通り、練習通りにコントをやった。

というか、台本通りにやるのが精一杯という感じで。
木佐さん(養成所の担当社員)や同期の芸人達がどんな反応で見てるのか、気にする余裕はなかった。

とりあえず、セリフはとばさずにやれた。
僕はいい汗かいた的な、スポーツした後のような感覚だった。
ただ、ネタの出来がどうだったのかは、よくわからなかった。


39.石本との会話で気がついた

ネタ見せが終わった後。
同期の芸人・ロッキンチェアーの石本(仮名)と、少し会話を交わした。

会話の流れでなんとなく、僕はついさっき自分達のコントでやってたボケセリフを、ノリで会話に入れてみた。

するとその瞬間。それまで笑顔で話してた石本の表情が、明らかにくもった。

あれ?と僕が思ったそのとき。
やり取りを横で見てた相方・川田が言った。

「俺らのネタ、気に入らんかったらしいよ。」

あ、なるほど…。
そのとき、僕は初めて気がつきました。

さっきのドルバッキーのネタは、めちゃめちゃスベってたんだなと。

石本は僕のこと自体は嫌いじゃないから笑顔で話してたけど、さっきのおもろないネタセリフを会話に変に挟んできたもんだから、一転、不快な気持ちになったのだ。
しかも、ネタがおもろなかったことに気づいてもいない僕に、呆れるぐらいの気持ちになったんだろう。

そうか、そうか。やっぱりあのネタは、おもしろくなかったんだ。。

僕はこう思った。

やはり台本の時点であまりおもしろく感じなかったら、妥協せず、もっとおもしろい台本になるよう考えないといけなかったんだと。
おもしろくない台本をいくら練習したって、自己満に終わる。無駄な汗になる。
目的は「おもしろくする」であって、「練習する」ではない。
今後はそこをもう少し意識して取り組まないといけない、そう感じた。

養成所で失敗し、こうやって自分で気づいていく。
これも、一つの勉強であり、大事なことである。

まだまだ次元の低い勉強ではあるが。
まずは一歩一歩前進するしかないのだ。



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