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正義感の取り扱いは難しい

唐突ですが、過去にあった出来事を2つ(①と②)紹介します。

では、まずは①から。

15年ぐらい前の出来事。
先輩芸人Aさんが、業界人Bさん(有名プロデューサーの下についてるディレクタークラスの人)と話をしたときのこと。

事務所イチオシのCという若手漫才コンビの話題になった際に、業界人Bさんが「Cが売れるか売れないは、まあ結局俺次第やけどな」的な、かなり上から目線でCのことを随分軽くみた発言をしたそうな。

それに対し、正義感の強いA先輩が「Cをちゃんと人としてみたれや!!」と激怒して、Bと揉めた。なんてことがありました。

このことを聞いた芸人達は、こう思いました。

「後輩芸人のためにBと揉めるなんて、気持ちはめっちゃありがたい。ありがたいんやけど、でも、わざわざもめなくても…

実際のところ、これが周囲の正直な気持ちだった。


では、次に別のお話②を。

これは、10年ぐらい前の出来事。
12月の事務所ライブ終わりに、みんなで忘年会をしてる最中のこと。

その日のライブで企画のMCをしてた先輩芸人Dさんに対し、そのMCぶりに鬱憤が溜まってた僕は、D先輩に面と向かって不満を言い出しました。

「今日の企画MC、なんなんですか。あんな順番でふったら、最後オチるわけないじゃないですか。」

先輩芸人にみんな言いづらいだろうから、ここは嫌われ役になってでも僕が言う。誰かが言わないと、今後ライブが良くなっていかない!
なんて具合に、自分の中の正義感も後押しして、D先輩を批判しました。
そして、当然のごとく揉めました。
なんなら僕はかるく一発殴られましたが、それでもおかまいなしに批判を続けました。

そうしたら。揉め終わる頃に、後輩芸人が僕にそっと近づき、こう言いました。

ほんま、やめてくださいよ…。

めちゃくちゃ迷惑そうな顔で言われ、僕は驚きました。
みんなのためにもと正義感込みでやってる僕の言動が、なんのこっちゃない。周りからしたら、「わざわざ先輩と揉めるなよ…」と思われてただけだったのです。
(今思えば、忘年会中だったから余計に迷惑だっただろう。)


この①②の、2つの出来事に共通してること。
それは、どちらも正義感が裏目に出てる。ということです。

①は、先輩の正義感で、後輩達(僕を含む)がありがた迷惑に感じ。
②は、僕の正義感で、後輩達が迷惑に感じた。

正義感により、逆に、周りが迷惑に感じてしまっている。
むしろ、正義感を持つ側が悪になってしまっている。


①②を踏まえて思う。

"正義感"の適切な取り扱いって、難しいもんやなぁ。


正義感はあった方がいいのか、ない方がいいのか。

生きていると、時折わからなくなる。



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